ルーツの11作目となるアルバムは、KRS・ワンの名曲“Step Into The World”の一節にインスパイアされたタイトルを冠したもの。全体で30分強というタイトな作品ながら、社会に向けて風刺を効かせた内容の重さは彼らの代表作『Things Fall Apart』に比肩するほどのインパクトがある。流行に振り回されてばかりの病める世間(もちろん、それはヒップホップ・シーン全体を指してもいる)に向けた、皮肉と怒りに溢れるラインは本当に壮絶! いまのシーンにおいて、ここまで社会にメスを入れることが出来るMCはブラックソートくらいじゃなかろうか。ジャズやソウル、ブルースをすべてスクラップしてルーツ色に染め上げたサウンドも、いつも以上にキレた雰囲気。心してご一聴を。