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赤裸々な愛の告白

 前作『The Colour In Anything』(2016年)ではプロダクション面でリック・ルービンやジャスティン・ヴァーノンの助力も得ていたJBは、今回さらにいろんな角度から外部の血を導入している。ジェイ・Z仕事でも組んでいた盟友ドミニク・メイカー(マウント・キンビー)との共同プロデュースがアルバムの半分を占めているほか、“Mile High”と“Tell Them”には現行シーンのトップ・プロデューサーであるメトロ・ブーミンとドレ・ムーンらを招聘。もはや定番すぎるアトモスフェリックなトラップ・ソウルの意匠とJBならではのアンビエントな支配力をうまく融和させ、意味のある手合わせとしている。前者にトラヴィス・スコット、後者にモーゼズ・サムニーという縁のあるゲストを迎えているのも今作のキャッチーなポイントだろう。その他の客演がロザリア、アンドレ3000(アウトキャスト)という人選も過不足のない感じで、JB流儀の翳ったメランコリアに新鮮な彩りを添える演出に違いない。

 一方で、そうしたコマーシャルな賑やかさ以上に『Assume Form』を強く特徴づけるのは、あまりにも赤裸々に綴られた主役のリリックだろう。女優のジャメーラ・ジャミルと交際しているJBだが、多くの曲が〈You〉に語りかけるような体裁だったり、〈彼女〉への想いを自問自答する、不器用ながらもロマンティックな内容になっているのだ。マンハッタンズ曲のスウィートなループに恋の戸惑いを託したような“Can’t Believe The Way We Flow”や、サントラ愛好家にはお馴染みの「Love Birds: Una Strana Voglia D’Amare」(67年)のスコアからラウンジーな“La Contessa, Incontro”をうっとり敷き詰めた“I’ll Come Too”あたりは、サウンド面からも主役の心模様を補完する。

 それらすべてが現在の恋人からの影響を直接的に投影したものかどうかはさておき、ここにあるのは実にトラディショナルなシンガー・ソングライターらしさであり、緻密な意匠に包まれた伝統的な様式のラヴソングでもあるわけだ。メインストリームの養分となって消費され尽くすこともなく、個のアーティストとして独創的な道を行くJBの本質的な魅力は、間違いなくこの『Assume Form』に凝縮されている。

ジェイムズ・ブレイクのアルバム。

ジェイムズ・ブレイクが客演やプロデュースで参加した近作を一部紹介。