トム・ミッシュやジョーダン・ラカイらマルチ・プレイヤー系のシンガー・ソングライターが注目を浴びている昨今のシーンにおいて、男女3名から成るメンバー全員がその素養を持つバンドこそムーンチャイルドだ。ソウルと現代的ジャズを合わせたスタイルでLAの音楽シーンで活躍を続ける彼らだが、タイラー・ザ・クリエイターやロバート・グラスパーに賞賛されるなど、ポップなシーンからコアなシーンまでをも魅了。この4枚目のアルバムも、電子ピアノのフレーズ、ギターとウクレレが奏でる音色、そして間奏に至るまでアンバー嬢のまろやかな歌声が織り交ぜられた先行カット“Too Much To Ask”をはじめ、全編が魅惑的なサウンドで満たされている。月並みな言い方だが、バンドの最高傑作だろう。