TOWER DOORSブログがお送りしている、注目のニューカマーの魅力にメール・インタヴューで迫る企画〈6つの質問〉。
この企画では、これまでに何組ものアーティストを取り上げてきましたが、そのなかでも九州出身のアーティストが多いことに気づきました。例えば、ラッパーのmaco maretsは福岡出身で、ヒップホップ・グループの週末CITY PLAY BOYZと宅録アーティストのGenyaの拠点は福岡です。
福岡は昔から多くのミュージシャンを輩出してきた街で、例えば、最近再結成した伝説的バンド、ナンバーガールやスピッツの草野マサムネの出身地です。またヒップホップの方面でも、ラッパーの5lackやプロデューサーのOlive Oilなどが同地で活躍。福岡という土地は音楽的に豊かな土地なのかもしれません。
出身地は同じでも、それぞれ影響受けた音楽や活動の仕方、音楽性などが異なるので、〈アーティストの出身地〉という観点で比べてみるのも、おもしろいかもしれません(〈6つの質問〉の過去記事はこちら)。
今回登場してもらうシンガー・ソングライター、Shoko Pappaも福岡を拠点に活動しています。幼少期から音楽に触れてきた彼女は、21歳で上京し、音楽専門学校に通い始めました。そこでゴスペルやR&Bの作詞作曲を本格的に習得。福岡に帰郷後は夫のビートメイカー/プロデューサー・Smee Higerと制作した楽曲を発表しています。2017年にはファースト・アルバム『COLOR』を、2018年にはシングル“きみのもとへ”をリリース。
彼女の音楽性は、ネオ・ソウルから現行のR&B/ソウルのサウンドまでを幅広く取り入れ、どこか懐かしくも現代的であるのが特徴です。もちろんシンガーとしての魅力も十分。美しく、壮大なスケール感の歌声は、海外の歌手にも劣らない力強さです。
そんなShoko Peppaの実像に〈6つの質問〉で迫りましょう。
1. 出身地と音楽活動を始めたきっかけ(バンドであれば結成のいきさつ)について教えてください。
「出身は福岡県。4姉妹の末っ子で、幼い頃から姉たちが楽器を弾いたり、歌っているのを見よう見まねでまねしたりしていました。小学生の頃はヴァイオリン、中学から10年以上サックスを吹いて、ずっと楽器を通してクラシックや音楽の基礎を学びました。その傍で、MTVや家族の影響で洋楽のブラックミュージックをゴリゴリ歌ったりして学生時代は色んなジャンルを聞きまくる音楽漬けの毎日でした。20歳過ぎてから上京して作詞作曲を学び、シンガーソングライターを目指そうと思い始めました」
2. 現在の音楽性に影響を与えたと思うアーティストや楽曲は?
「Lauryn Hillの『The Miseducation Of Lauryn Hill』はアルバム全曲大好きで、かなり影響を受けました。Alicia Keysの“Fallin’”は小学生くらいの頃、近所の車屋のラジオで流れていて身体中にイナズマが走った記憶が今でも鮮明にあります。その2人に特に影響を受け、歌い方などはMariah CareyやStevie Wonderに影響を受けています」
3. 今回TOWER DOORSで紹介した曲はどんなふうに生まれた曲で、どんなことを表現していますか?
“プレシャス”
「現代、あまり車に乗ったりしなくなったし、常にイヤホンして自分の世界に入っちゃったり、みんなで歌いながら移動したりもしなくなったから、どこか懐かしさやトレンディさを残して、〈だれかを車で迎えに行きながらカセットCDデッキで歌いたくなる曲〉をテーマに歌いました。とはいえ配信のみの曲なのでそこの矛盾はみなさんの心の中のドラマで完結させて頂ければありがたいです(笑)!」
4. 交流のあるアーティストでいま注目しているのは?
「福岡のアーティストでは、YOHLU、
Shigge、他にもシンガーやビートメイカーも沢山いて書ききれません(笑)!」
5. TOWER DOORSは新しい音楽との出会いを提供することをコンセプトとするメディアですが、あなたが最近出会った新しい音楽は?
「K-R&B、K-Popです。特に痺れたのが、K-R&B、Popを代表するシンガー、CrushがフィーチャリングにJoyce Wrice、プロデューサーにDevin Morrisonを迎えLAで制作した曲“Lookin 4”です。
隣の韓国の音楽シーンは急成長著しく常にチェックしていますが、母国語と英語を混ぜて、サウンドも懐かしさやクオリティの高さが絶妙にマッチしていて、国や文化の壁をリスペクトしつつ簡単に壊しているのが、新しい音楽だなぁと思いました」
6. ライヴやリリースといった今後の活動や、やってみたいことなど、これからの展望について教えてください。
「これからも自分の影響されたものや伝えたいことを、周りにいる才能豊かなプロデューサーやミュージシャンと音楽配信していきたいです。動画の配信もしていきたいです。また、メインプロデューサーで夫でもあるSmee Higerと家の近くに小さいスタジオを開設したのでもっと色んなアーティストとコーライティングして新しい音楽を作っていきたいです」
Shoko Peppaのアルバム『COLOR』は、とても聴きごたえのある作品なので、ぜひ聴いてみてください。フューチャー・ベースやトラップを取り入れた曲からメロウでポップな曲まで、ヴァラエティーに富んだ一作です。また、今後の活動については彼女のTwitterなどでぜひチェックを。