都響アーカイヴ・シリーズ、デプリースト指揮の第2弾。前回のベートーヴェンの交響曲選集は本誌の俵孝太郎さんのコラム〈クラシックな人々〉で取り上げられるなど好評を博しました。今回はブルックナーの交響曲第2番(2006年4月12日サントリーホール)と第9番(2006年4月17日東京文化会館)。ベートーヴェン同様、オーケストラをふくよかに鳴らした温かいタッチの響きが基調です。第2番は要所で管打を厳しく打ち込み、強靭な内容。第9番は速めのテンポで晴朗に歌うところが心に残ります。都響のきめ細かいアンサンブル、音色の美麗さも特筆ものです。
ジェイムズ・デプリースト(James DePreist)&東京都交響楽団『ブルックナー:交響曲第2番、第9番』ふくよかな温かいタッチでオーケストラを鳴らす
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