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インタビュー

BiSHらしい在り方は音楽を届けること――この状況に向けて綴られた新作『LETTERS』を語る!

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左から、アイナ・ジ・エンド、モモコグミカンパニー、リンリン

 

自分たちの曲に勇気づけられて

――良かったです。では、今回の『LETTERS』の制作はどのように始まったんでしょう。

チッチ「3月頃がいちばん、どんどん何もできなくなる状況に苦しんでた記憶があって。お客さんや自分たちを支えてくれてる人たちを大事に思ってても何もできなくて、〈凄い無力だな〉って感じていたんですけど、4月に入って、いま何ができるかをBiSHチームで考えた時に、やっぱり音楽を届けることが私たちらしい在り方だなと思って。で、この期間に新しい曲を作って、シングルで出す予定だった曲も全部入れて〈3.5枚目のアルバム〉として出すことに決まりました。で、4月後半くらいから作詞を始めて、5月にレコーディングして、って感じです」

――4つある新曲のなかでもメインになるのがドラマティックな表題曲の“LETTERS”ですね。これは渡辺(淳之介:WACK代表)さんの歌詞もいつになく率直な印象で。

アツコ「はい、これはBiSHにしては、まあ言うたら〈ちょっと恥ずかしいかな〉ってくらいストレートで、詞のひとつひとつに気付かされるものがある曲です。やっぱり人と会わないでずっと家にいる間はいろいろ考え込んでしまってたんですけど、仮歌を聴いた段階で〈私はひとりじゃないんだ〉って思えたんですよ。このメロディーや歌詞を聴いて、〈あ、大丈夫だ〉って、自分がBiSHの楽曲に勇気づけられたので、その気持ちを忘れないようにしてレコーディングに挑みました」

――いままでも自分たちの曲に同じような気持ちになることってありましたか?

アツコ「う~ん、あったんですけど、今回はまた違って、すんなり入ってきたというか。目線がキョロキョロするわけでもなく、ただ一点を見つめて聴いてしまった曲というか。それが伝わればいいし、届いたらいいなって思いますね」

チッチ「うん。“LETTERS”はホントに何の濁りもなく、私たち音楽を届ける側の人間の感情が凄い出てると思ってて。ダサい姿とかも曝け出して伝えてきた私たちが、いま目の前にいる〈あなた〉に音楽を届けたいって思ったからこそ出来た曲で、ホントに手紙のような曲になったんですけど、松隈(ケンタ:サウンド・プロデューサー)さんも渡辺さんも〈いま同じ気持ちなんだ〉っていうのが凄く嬉しくて。BiSHを一緒に作ってるスタッフさんたちも同じ気持ちで、私たちの音楽を待ってる人たちを少しでも力付けられたらって思ってるのが素直に嬉しかったのを覚えてて。だから、〈早く届いてほしいな〉っていう気持ちが強くって、とにかくまっすぐな私たちの生の気持ちです」

アユニ「この曲に抱いてる感情を全部いまチッチが言葉にしてくれたんですけど(笑)。この残酷な状況に対して自分の少し潰れそうな気持ちも、それを乗り越えたい気持ちも全部詰まってて。いまいちばん届けたいものになったと思います」

――いつもと違う雰囲気の歌割が新鮮ですね。

チッチ「歌割は松隈さんがいつも以上にこだわってて。たぶん、こういう世界になって発信する最初の曲だからこそ凄いこだわったと思うんですけど、リンリンとあっちゃんでAメロが始まるのも新しいし」

――そうですね。最初のサビからユニゾンで入るのも珍しい感じで。

チッチ「カップリングとかではあったんですけどね。アイナ(・ジ・エンド)と私がユニゾンで最初のサビから歌い出す曲はなかったんで、そこは松隈さんも〈おもろいやろ?〉って言ってたし、こだわった部分だと思います。いつかライヴでやれたら、きっとみんなで歌える曲になると思うので、それも凄い楽しみだなって」

――はい、続く新曲の“スーパーヒーローミュージック”はアユニさんの作詞です。

アユニ「はい。この歌詞は自粛中に書いたんですけど、こういう社会の状況に寄り添ったというよりかは、BiSHに入ってから自分の中でどんどん起こってきた変化について書きましたね。世間の状況のセンチメンタルな気持ちよりは、自分の中の沸々とした気持ちを書いたというか」

――PEDROの最近の雰囲気からも繋がるものがあります。

アユニ「そうですね。何か、音楽に救われてきたっていう」

チッチ「めちゃくちゃアユニらしい歌詞でめちゃ良い曲だなと思ったんですけど。それは、上京してきてからBiSHを一緒に歩んできて、PEDROの活動をして、いまのアユニになってきてるのを見てきたから感じる部分でもあって。音楽に対する思いとかは、勝手ながら私と似てる部分があると思ってるので、私にとっては凄く共感する歌詞だし、〈置かれた場所で咲きまくれ〉っていう言葉が私は凄く好きで、ここが凄くアユニらしいというか、いまいる場所でどれくらい自分が咲き誇るかっていうのがアユニらしさだと思うので、〈THEアユニ・D〉みたいな感じです」

――アユニ節みたいなのもありつつ、チッチさん作詞の“I'm waiting for my dawn”にも通じるというか。

チッチ「それは凄くありますね。自分が好きなアーティストさん、音楽があってこそ書けた歌詞だし。やっぱり音楽に支えられてきた人とか、音楽に対する思いの強い人が“スーパーヒーローミュージック”を聴いたら、凄い共感してズキズキくるんじゃないかなって思ってますね」

――はい。先人との繋がりということだと、続くロカビリー風の“ロケンロー”では東京スカパラダイスオーケストラの北原雅彦さんがホーン・アレンジを担当して、ホーン・セクションの皆さんが演奏で参加されてて。これは“カナリヤ鳴く空”のカヴァーやステージ共演の流れからのご縁ですね。

チッチ「はい。たくさん同じ時間を共有してきて、キャリアはかなり離れてますけど、凄く大好きなお兄さんたちっていうか、BiSHにとって尊敬する人たちなので、こんな若造たちを可愛がってくれて嬉しいですし、こうやって私たちの音楽に関わってくれたことが凄い幸せで。スカパラさんのおかげで新しいBiSHがまた見えたなっていうのがありますね」

アユニ「“ロケンロー”はアルバムの中でもわりとスパイシーというか、BiSHのちょっと独特な部分が出てるなって思います。スカパラさんのホーンが入って、最初に聴いたデモから良い意味で全然イメージと違って、想像以上のカッコイイものが出来て、個人的に凄く好きです」

アツコ「うん、聴いた時点で、これはアルバムの中でひとつだけ匂いが違う一曲になりそうだなって思いましたね。スカパラの皆さんがアレンジしてくれて凄い華やかなものになったし、音源で聴いても違うんですけど、何か〈ライヴで観せたらどうなるんだろうな~〉っていう想像してて。まあ、もし今後スカパラさんと一緒にやらせていただけることがあれば、スカ・ダンスとかやるのかな~とか。いろんな観せ方ができる曲になるんだろうなってワクワクしてますね」

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