2014年に出版された大瀧詠一の〈研究書〉ともいえる木村ユタカの本著が増補改訂版で蘇った。大瀧詠一の選ぶ〈アメリカン・ポップス100枚〉や2014年以降にリリースされたレア音源のデータを加え、加筆・訂正もありオリジナル版から64ページ増。ジミー・クラントンの62年のヒット“ブルー・ジーンズ・ビーナス”が実は松田聖子“風立ちぬ”のベースになった、というのは私もその昔、本書で知りました。大瀧楽曲にまつわるルーツ探しをまとめた読み応え満載の一冊であり、また、古き良きオールディーズ・ナンバーの数々にも辿り着けるというポップスの洋邦の相関性をも伝えている。