チーフ・キーフやチャンス・ザ・ラッパーら新世代の台頭により、ヒップホップ・シーン上でふたたび大きな注目を集めているシカゴだが……昨今は1年間での殺人事件による死者数がイラク戦争で亡くなった米兵よりも多いことからChiraq(シャイラク)とも呼ばれている。そんな地元の現状を憂い、シカゴのヴェテランが〈誰も笑っていない〉と冠してリリースした新作。若者たちのハードな日常を描いたMVも印象的だった先行曲“Kingdom”をはじめ、テーマがテーマだけにダークでシリアスなムードが漂ってはいるが、リル・ハーブやドリーズィといった同地の若き才能もフックアップした構成は、コモンが彼らにシカゴの未来を託しているかのよう。同郷の盟友ノー・IDが全曲をプロデュース。