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西~南アジアをルーツに持つアーティストの盛り上がり

最後に、昨今盛り上がりを見せている、西~南アジアをルーツに持つアーティストたちも紹介したい。

UKのジョイ・クルックス(Joy Crookes)は母親がバングラデシュ・ベンガル人、父がアイルランド人という出自で、昨年のアルバム『Skin』ではオーケストラサウンドも従えた力強くクラシカルなUKソウルを堂々と聴かせながらも、所々に東洋的な音階を忍ばせているのが面白い。

ジョイ・クルックスの2021年作『Skin』収録曲“When You Were Mine”

さらに、南インド~スリランカ北部のタミル人の血を引くスイス人のソウルシンガー=プリヤ・ラグ(Priya Ragu)も加えておきたい。彼女は、ジョイ・クルックスよりもさらに色濃くインドのリズムや音階を取り入れており、その独自の音楽性でにわかに注目を集めつつある。

プリヤ・ラグの2021年作『damnshestamil』収録曲“Chicken Lemon Rice”

ラヴィーナ

その他にも、インド人の両親を持つNY在住のベッドルームポップ~ネオソウルシンガーのラヴィーナ(Raveena)、シリアにルーツを持つフォークシンガーのベドゥインBedouine、アラブの遊牧民を指す言葉だそう)など、環太平洋以外の地域をルーツに持つアジア系の女性たちから良作が立て続けに届けられており、まさにいま特筆したいムーブメントであると言えるだろう。

ラヴィーナの2022年作『Asha’s Awakening』収録曲“Secret (Feat. Vince Staples)”

ベドゥインの2021年作『Waysides』収録曲“The Solitude”

 

アジア系女性が自分の物語を自分で語りはじめた

シンガーソングライターというのは、すなわち自作自演のアーティストのこと。そうした〈自分の物語を自分で語る〉アーティストが、欧米圏に住むアジア系の女性から今、数多く生まれ注目を浴びているということは、いわば彼女たちの存在が、可視化され立ち現れつつあるということの証でもある。長らく周縁化されていた彼女たちが語る、彼女たちが主役の物語から、どうか目を離さないでほしい。

記事で言及されたアーティストの楽曲+αを選曲したSpotifyプレイリスト。選曲は井草七海とMikiki編集部

 


RELEASE INFORMATION

SASAMI 『Squeeze』 Domino/BEAT(2022)

リリース日:2022年2月25日(金)

■国内盤CD
品番:BRC692
価格:2,420円(税込)
国内盤特典:ボーナストラック追加収録/歌詞対訳・解説書封入

■輸入盤CD
品番:WIGCD498
価格:2,490円(税込)

■限定盤LP(クリスタルクリアヴァイナル)
品番:WIGLP498X
価格:4,390円(税込)

■輸入盤LP
品番:WIGLP498
価格:4,090円(税込)

TRACKLIST
1. Skin A Rat
2. The Greatest
3. Say It
4. Call Me Home
5. Need It To Work
6. Tried To Understand
7. Make It Right
8. Sorry Entertainer
9. Squeeze
10. Feminine Water Turmoil
11. Not A Love Song
12. Toxicity (Live) [Bonus Track]

 

INFORMATION
DOMINO CAMPAIGN 2022

開催期間:2022年2月25日(金)~

■CAMPAIGN 1
対象商品に貼付された応募シールを3枚以上集めて応募すると、応募者全員に〈Domino〉ロゴトートバッグをもれなくプレゼント!

■CAMPAIGN 2
フランツ・フェルディナンド『Hits To The Head』(3月8日リリース)と、ウェット・レッグ『Wet Leg』(4月8日リリース)の国内盤CDの初回生産分に特製レーベルロゴステッカーを封入。

左:フランツ・フェルディナンド『Hits To The Head』封入ステッカー/右:ウェット・レッグ『Wet Leg』封入ステッカー

■CAMPAIGN 3
対象タイトルの国内盤CD(一部タイトルを除く)が数量限定スペシャルプライス盤でリリース!

■CAMPAIGN 4
キャンペーン期間中、Beatink.comにてドミノの2022年リリースの新譜を除く全カタログ作品が10%オフ!

キャンペーン詳細や応募方法などはこちらの特設サイトにてチェック!
https://www.beatink.com/user_data/domino_campaign_2022.php