PR
連載

亜蘭知子『浮遊空間』、村田和人『ひとかけらの夏』、松下誠『FIRST LIGHT』最高音質SACDで体験したいシティポップ名盤

【SACDで聴く名盤】第7回

ストリーミングサービスで、YouTubeで、レコードで……。音楽の聴き方は、いま多様になっています。そんななかでタワーレコードがおすすめしているのは、高音質盤SACDでのリスニング。そのSACDの魅力や体験をお伝えしている当連載、今回は2022年2月23日にSACDハイブリッド盤で登場した亜蘭知子『浮遊空間』(83年)、村田和人『ひとかけらの夏』(83年)、松下誠『FIRST LIGHT』(81年)の3タイトルをご紹介します。シティポップを代表する名盤が最高音質で体験できる3枚について、音楽ライター/編集者の武田昭彦さんが綴ってくれました。 *Mikiki編集部

★連載〈SACDで聴く名盤〉の記事一覧はこちら

タワーレコードのYouTube動画〈高音質のCD? 「SACD」とは《Q&A編》〉

 

亜蘭知子『浮遊空間』の綿密な音像とアナログライクな音

本稿では2月下旬、ワーナーミュージックから再発された亜蘭知子『浮遊空間』、村田和人『ひとかけらの夏』、そして松下誠『FIRST LIGHT』のSACD/CDハイブリッド盤を紹介する。

亜蘭知子の『浮遊空間』は83年発表のサードアルバム。亜蘭知子はビーイング所属の作詞家/シンガーとして知られ、当時はジャズシンガーの秋本奈緒美などへ詩を提供していたことも忘れ難い。

亜蘭知子 『浮遊空間(+1)』 ワーナー(2022)

本作は後年、FENCE OF DEFENSEを結成することになる西村昌敏がアレンジとサウンドプロデュースを担当。打ち込み主体のバッキングと亜蘭のボーカルはテクノとダンスポップがミックスされた音作りが印象的だ。2022年の年始め、米国のウィークエンドが新作『Dawn FM』収録の“Out Of Time”のバックトラックに本作の“Midnight Pretenders”をそのまま起用したことが話題となったのは記憶に新しい。

亜蘭知子の83年作『浮遊空間』収録曲“Midnight Pretenders”

ウィークエンドの2022年作『Dawn FM』収録曲“Out Of Time”

当時一世を風靡していたヒュー・パジャムにインスパイアを受けたと思われる音作りが刺激的ないっぽう、“I’m In Love”ではAORテイストを滲ませる音で勝負するなどバラエティーに富んだ内容が聴きどころ。随所で駆使されるコーラスワークや北島健二によるギターの響きが、綿密に練り上げられた音像の中で際立っている。

亜蘭知子の83年作『浮遊空間』収録曲“I’m In Love”

エンジニアのオノ セイゲンがアナログマスターテープをDSD11.2MHzへデジタル化、そのファイルから当時のアシスタントエンジニアだった彩音工の坂本充弘がオリジナルマスター音源にほとんど手を加えることなく〈2022 restored version〉として全体を調整した本作は、アナログライクな音を湛えている。

 

村田和人『ひとかけらの夏』のクリアな山下達郎サウンド

村田和人の『ひとかけらの夏』は83年発表のセカンドアルバム。プロデュースと大半の曲のアレンジを山下達郎が手掛けている人気作だ。

村田和人 『ひとかけらの夏(+2)』 ワーナー(2022)

全編から立ち込める音の肌合いが達郎作品の延長線上にあるのは、当時の達郎のエンジニアリングを担っていた佐藤康夫エンジニアが本作のミックスを手掛けているからに他ならない。曲によって青山純、野口明彦、阿部薫とドラマーを適宜替えるなど山下達郎ライクなプロデュースワークも手伝って、曲想に沿ったプレイが楽しめるのに注目したい。

SACD層ではとりわけ“So Long, Mrs.”における伊藤広規のベース、達郎のギターなどがクリアーに聴こえてくる。それは楽器編成が小さい“やさしさにGood-bye”“幻想”でも顕著で、SACDの優位性を感じさせる。アナログマスターテープをワーナーミュージック・マスタリングが96kHz/24ビットWAV化、先の彩音工の坂本充弘エンジニアがリマスタリングを担当した本作は、バッキングと村田のボーカルが鮮明な音で聴き手を包み込む。

村田和人の83年作『ひとかけらの夏』収録曲“So Long, Mrs.”

 

松下誠『FIRST LIGHT』の静寂と優雅さ

松下誠の『FIRST LIGHT』は81年発表のソロ第1弾。日本のシティポップが再評価される昨今、本作の注目度が高まっているのは松下の曲がオーソドックスでありながら、普遍性を備えていることが大きい。各々の楽器とボーカルを克明に捉えた本作は、いまや日本を代表するエンジニアの内沼映二が録音およびミックスを担当したことも奏功している。

松下誠 『FIRST LIGHT(+1)』 ワーナー(2022)

SACD層では楽器の消え際、リズムとリズムの〈間〉の静寂感に耳を奪われる。広めの音場に楽器と声が優雅に漂う感覚は、紛れもなく内沼エンジニアの真骨頂だ。後半に収録される“Sunset”では10ccの“I’m Not In Love”(75年)に影響を受けたと思われるミックスに引き込まれる。アナログマスターテープをワーナーミュージック・マスタリングが96kHz/24ビットWAV化、先の彩音工の坂本充弘エンジニアがリマスタリングを手掛けた本作は、本作の作風とサウンドテイストを12cmディスクで目一杯楽しめる。

松下誠の81年作『FIRST LIGHT』収録曲“Sunset”
タワーレコードのYouTube動画〈【SA-CD普及委員会】#02 SA-CDをより深く知ろう! ~聴き比べもあり〉

 


RELEASE INFORMATION

亜蘭知子 『浮遊空間(+1)』 ワーナー(2022)

リリース日:2022年2月23日
品番:WPCL-13367
フォーマット:SACDハイブリッド
価格:2,860円(税込)

配信リンク:https://Arantomoko.lnk.to/Fuyukukan

TRACKLIST
1. Body to Body
2. Lonely Night
3. I’m in Love
4. ジ・レ・ン・マ(25才の憂鬱)
5. Midnight Pretenders
6. ひと夏のタペストリー
7. HANNYA(般若)
8. しゃくなYesterday
9. Baby, Don’t You Cry Anymore
10. ジ・レ・ン・マ(25才の憂鬱)(Released on Analog only Version)(Bonus Track)

 

村田和人 『ひとかけらの夏(+2)』 ワーナー(2022)

リリース日:2022年2月23日
品番:WPCL-13369
フォーマット:SACDハイブリッド
価格:2,860円(税込)

配信リンク:https://MurataKazuhito.lnk.to/Hitokakeranonatsu

TRACKLIST
1. 一本の音楽(2022 Remaster)
2. Summer Dream(2022 Remaster)
3. 台風ドライブ(2022 Remaster)
4. So Long, Mrs.(2022 Remaster)
5. Catching The Sun(2022 Remaster)
6. Travelin’ Band(2022 Remaster)
7. やさしさにGood-bye(2022 Remaster)
8. 幻影(イリュージョン)(2022 Remaster)
9. Love Has Just Begun(2022 Remaster)
10. ニコニコ・ワイン(2022 Remaster)
11. Catching The Sun(single version)(2022 Remaster)
12. 一本の音楽(Single Version)(2022 Remaster)

 

松下誠 『FIRST LIGHT(+1)』 ワーナー(2022)

リリース日:2022年2月23日
品番:WPCL-13368
フォーマット:SACDハイブリッド
価格:2,860円(税込)

配信リンク:https://MatsushitaMakoto.lnk.to/FIRSTLIGHT

TRACKLIST
1. First Light (2018 Remaster)
2. One Hot Love (2018 Remaster)
3. Resort For Blue (2018 Remaster)
4. September Rain (Japanese Version) (2018 Remaster)
5. Lazy Night (2018 Remaster)
6. This Is All I Have For You (2018 Remaster)
7. I know・・・・ (2018 Remaster)
8. Love Was Really Gone (2018 Remaster)
9. Sunset (2018 Remaster)
10. September Rain (English Version) (2018 Remaster)