いかにビッグバンドを気持ちよく鳴らすことができるか。うまく設計されたスコア、楽器編成のサイズと各演奏者の選定、予算などの要素が組み合わさって、気持ち良さと鳴りの良さが決まる。クインシー・ジョーンズは、50年代後半にはすべての要素にベストと言える条件でアルバムを制作し、62年には初期クインシー・サウンドの決定版『Big Band Bossa Nova』をリリースした。その2年前、最高のメンバーで50年代のスコアを手に欧州ツアーへ。その当時の全記録がこの4枚組のライヴ盤。《Walkin'》の軽快な木管のアンサブルにらしさを感じつつ、バド・パウエルやのオリジナルを軽快に鳴らす。さすがミスター・パーフェクト。