ミレニアム期に匹敵するフィジカルのセールスを叩き出す一方、ストリーミングでもキャリア最高の成功を掴んで、まさに無双状態。再録シリーズを別にすれば2年ぶりのアルバムとなるが、今回はインディー・ファンも惹き付けたオルタナ・フォーク路線ではなく、ジャック・アントノフをメインに起用してメランコリックなテイラー流のベッドルーム・ポップ作品に仕上げてきた。サウンウェイヴも助力したドリーム・ポップ“Lavender Haze”を筆頭に、ラナ・デル・レイとのコラボ“Snow On The Beach”など、アンビエントなシンセやドラムマシーンのチルな響きをキーにしながら多彩なアレンジで独特の深みと没入感を生み出している。彼女の何度目かの黄金期もこの創造性があればまだまだ磐石だろう。恐れ入りました。