GLIM SPANKY松尾レミに匹敵するハスキー声でギターを弾きつつ歌う、LA生まれの新人だ。アデルを上回る存在感たっぷりの身体つきも結構なインパクトだが、それゆえの声量と声質がとにかく魅力的。そんな歌声に惹かれたマーク・ロンソンジェフ・バスカーエッグ・ホワイトら錚々たるプロデューサーが関与し、このデビュー盤は完成した。ブラック・キーズみたいなロッキン・ブルースは迫力満点だし、ダフィを想起させるレトロ・ソウルはエモーショナル。〈ひとりマムフォード&サンズ〉と言いたくなるほど疾走感のある曲もいい。が、カントリー調のナンバーでの力の抜けた自然体なヴォーカルがまた味わい深く、つまりデカダンな曲でも明るい曲でも自分らしさを出せるところが強みだろう。