音楽への愛情と好奇心のままに変化を繰り返してきたホムカミの10年を6作でおさらい!
アノラック系のインディー・ポップ・シーンと地下パンク・カルチャーというふたつの出自で台頭していた京都発バンドの、瑞々しくも鮮烈な輝きをパッケージしたファーストEP。演奏の線はまだ細いものの、メロディーとハーモニーの太い輪郭が圧巻だ。
ギター・ポップ期の代表曲となった“I WANT YOU BACK”を経て発表された初アルバム。ザラザラした手触りのオルタナ感とアンセミックなソングライティングを融合させる様に大器の片鱗が漂っている。終盤2曲におけるメロの畳み掛けが凄まじい。
架空の街に暮らす〈幽霊たち〉を描いた2作目。フォーマット“The First Single”のようなインディー・クラブ・アンセムをめざしたという“HURTS”を筆頭に、ルーツを掘り下げながら色鮮やかに音楽性を開花させた作風は今回の『New Neighbors』と近い。
ロック度の高い新作には、アメリカ学園映画的パワー・ポップの“PLAY YARD SYMPHONY”、メロディック・パンクな“SLACKER”などを収めたこのEPも思い出される。当時の挑戦を糧にした現在のホムカミ視点でこそ、再評価されるべき作品だ。
京アニによる映画「リズと青い鳥」のエンディング曲“Songbirds”でファン層を広げたバンドが、初の試みだった日本語詞で完成させた3作目。ネオアコやチェンバー・ポップの影響下にあるサウンドのもと、離別のさみしさ、届けたい想いを内省的に描く。
レーベル移籍や上京など自分たちの環境の変化に加え、コロナ禍の時代も重なり、この4作目ではささやかな開放感やポジティヴィティーを音に落とし込もうとした。全体を貫く温かなソウル・ムードに胸を踊らされつつ、“Cakes”の色香にハッとさせられる。