画業35周年! ホラー漫画界のレジェンド・伊藤潤二、初のBOXセット&初めて明かす唯一無二な世界の作り方
こわい漫画、怪奇漫画、ホラーマンガといえば皆様はどんな作家と作品を思い出しますか? 水木しげる「ゲゲゲの鬼太郎」、楳図かずお「へび少女」「猫面」、日野日出志「蔵六の奇病」「地獄小僧」、つのだじろう「恐怖新聞」「うしろの百太郎」、古賀新一「エコエコアザラク」といった巨匠を世代的には想起します。以降、80年代半ばから90年代にかけて新世代ホラー漫画家が続々誕生し、1985年12月創刊の少女向けホラー雑誌「月刊ハロウィン」及び「ネムキ」で大ブレイクし、現在も活躍し続けている作家が伊藤潤二です。
当時他の連載陣、御茶漬海苔、永久保貴一、JET、犬木加奈子、等も人気を博し90年代ホラーブームが起こりました。忘れられない伊藤作品のひとつは自分と同じ顔をした巨大な気球がその本人の首を吊るために襲ってくる「首吊り気球」。度肝を抜かれ夢中になりました。どうしたらこのような「奇想」と呼べるアイデアを思いつくのだろうか。さらに圧倒的に高い画力も魅力で。デビュー35年にしてその「脳内」「創作の秘密」を初めて明かしたのが「不気味の穴 恐怖が生まれ出るところ」(セプテンバーカウボーイ吉岡さんによる装丁が最高!)。詳細にわたり自己分析し、ルーツについてもこれまで語られていなかった内容に溢れ、小5から3年かけて中1で完成した作品「魔増の村」やアイデアノートなど見所満載。さらに作品世界に読者を引きずり込むために必要なことを「嘘をつかないこと」と表現するなど名言だらけ。個人的に特に好きな短編は「長い夢」「首吊り気球」「うめく排水管」「墓標の町」「血玉樹」「あやつり屋敷」「橋」「血をすする闇」「寒気」「轟音」「ファッションモデル」「双一シリーズ」、等ですが、これらの作品をイッキに読めるのが「伊藤潤二傑作集プレミアムBOXセット」です。また、選りすぐり20作品がNetflixでアニメ化され「伊藤潤二『マニアック』」として全世界配信中。こちらも必見。