セルジオ・メンデスが83歳で死去した。

The Guardianなどの海外メディアによれば、セルジオ・メンデスは現地時間2024年9月5日にロサンゼルスにて亡くなったという。死因は発表されていないが、家族の声明によれば長期にわたる新型コロナウイルスの影響によって、健康状態は芳しくなかったそうだ。

セルジオ・メンデスは1941年2月11日、ブラジルはリオ・デ・ジャネイロ近郊のニテロイにて生まれた。幼少の頃からリオの音楽学校でクラシックピアノを学ぶなど、恵まれた環境で音楽の基礎を習得した。

しかし、その後クラシックの道には進まず、1950年代後半にジャズ、そしてアントニオ・カルロス・ジョビンやジョアン・ジルベルトらに影響を受け、当時流行していたボサノヴァに転向すると国内外で活躍しはじめる。

1962年にボサ・リオ・セクステットを結成。1965年にはアメリカに活動の場を移し、ジョビンやジョアンらとともに世界的なボサノヴァブームの旗手となる。

1966年、セルジオ・メンデス&ブラジル’66名義で発表したアルバム『Mas Que Nada』のタイトル曲が世界的に大ヒットを記録。以後、多彩な楽曲を洗練されたボサノヴァやAOR風にアレンジし、優れたプロデュースワークによってヒット作を多数手がけていく。

2006年、ブラック・アイド・ピーズのウィル・アイ・アムをプロデューサーに迎え、R&B/ヒップホップの豪華アーティストをゲストに迎えたアルバム『Timeless』を発表。続く2008年のアルバム『Morning In Rio』とともに世代を超えた支持を集め、それぞれ大ヒットを記録した。

2014年にはブラジルで開催されたFIFAワールドカップの公式アルバムに参加したほか、ジョン・レジェンドやマリア・ガドゥらをゲストに招いたオリジナルアルバム『Magic』をリリースした。

2019年、全曲新曲で構成されたアルバム『In The Key Of Joy』を発表。同作の日本盤ボーナストラックにはSKY-HIが参加したことも、当時大きな話題となった。

なお、セルジオ・メンデスの訃報を受け、ハーブ・アルパート、ジョアン・ボスコらが追悼コメントを発表している。

細かいジャンル問わず、ブラジル音楽そのものを世界に広めたセルジオ・メンデス。彼と彼が残した作品の数々は、この先も人々に喜びを与え続けていくはずだ。