約3年ぶりのソロ作は、長く伝承されてきた民謡のように強い生命力を感じさせるナンバーや瑞々しく爽やかな香りのフォーキー・ポップがひしめき合う集大成的な作品となった。実父である寺尾次郎の死に際して書き上げた表題曲や映画監督の安藤桃子が詞を書いた“そらとうみ”など、物柔らかな素朴さを湛えた歌声が強い感銘を呼び寄せる楽曲揃いで、情感豊かなピアノ演奏も聴き手の深いところに届きまくる。静かな傑作。