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映画とヨハン・ヨハンソンの曲の共鳴

「今回はプロローグと、変転して後半に入るところ、そしてエピローグの3カ所でこの楽曲を使っています。

そのなかのとあるシーン、非常に美しく、本当に1日1テイクしか撮れないような瞬間をとらえたシーンに、この楽曲を編集の際、当ててみたんですね。そうしたら、カメラの動きや感情の起伏にピタッとハマって共鳴したんです。最終的に、仮で入れてから変えることはありませんでした。

もしも神というものがいるならば、人間が作り得る、天国に一番近い創造物が音楽だと思います。そしてこの楽曲は、特に神がかっていると感じています。

この曲は、もともとはラテン語の詩で、日本語訳は〈我憎み、且つ愛す〉。良い人間でありたいと思っていても、妬みだとか色々な感情を抱えて、常に自分が誇れる存在ではない。心になかなか従えず、ときに恥じるようなことをしてしまう。今回はこの若者たち、特にこの2人の女性が喪失を経験して、徐々にお互いを受け入れていきますよね。そういった部分で、この映画に非常にフィットすると思いました。

ただ、ラテン語を理解する人というのは非常に少ないと思います。気がついてくれる観客がいれば、ですが、ラテン語がわからずとも共有できるものがあるはずです。そもそも説明されすぎるというのは、人生においても映画においても良くないというか、やっぱり知り得ないもの、答えを必ずしも必要としないものが映画であり芸術だと思うのです。観客の解釈に委ねる余白というのを残しておきたい。言いたいことがあったとしても、それを突きつけるのではなくて、観た人同士で話し合ってもらうということをしていけば、単に消費されるということは起きないのではないでしょうか」

 


MOVIE INFORMATION
突然、君がいなくなって

STORY
​ある日突然、最愛のひとを失ったら。その悲しみを誰にも打ち明けられないとしたら――

アイスランド・レイキャビクの美大に通うウナには、大切な恋人ディッディがいる。しかし、2人の関係は秘密だ。彼には遠距離恋愛をしている長年の恋人、クララがいるのだ。ある日ディッディはクララに別れを告げに行くと家を出た後、事故に巻き込まれ帰らぬ人となってしまう。誰にも真実を語ることができないまま、ひとり愛する人を失った悲しみを抱えるウナの前に、何も知らないクララが現れて――。

監督・脚本:ルーナ・ルーナソン
音楽:ヨハン・ヨハンソン(「メッセージ」「博士と彼女のセオリー」)
出演:エリーン・ハットル/ミカエル・コーバー/カトラ・ニャルスドッティル/バルドゥル・エイナルソン/アゥグスト・ウィグム/グンナル・フラプン・クリスチャンソン
2024年/アイスランド=オランダ=クロアチア=フランス/アイスランド語/80分/ビスタ/原題:Ljósbrot/英題:When the Light Breaks/PG12
配給:ビターズ・エンド 後援:アイスランド大使館
©Compass Films,Halibut,Revolver Amsterdam,MP Filmska Produkcija,Eaux Vives Productions,Jour2Fête,The Party Film Sales
オフィシャルサイト:https://www.bitters.co.jp/totsuzen/
X:@BittersEnd_inc
2025年6月20日(金)Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下、新宿武蔵野館ほか全国順次公開

 


PROFILE: ルーナ・ルーナソン
1977年生まれ、アイスランド・レイキャビク出身。2011年、カンヌ国際映画祭監督週間に長編デビュー作「Volcano」が招待された後、多くの映画祭で上映され17の賞を受賞。2作目の長編「Sparrows」(2015年)は、サン・セバスチャン国際映画祭での最優秀映画賞含む20の映画賞を受賞した。4年後、カンヌ・アトリエに選出された後、長編3作目「Echo」はロカルノ国際映画祭でプレミア上映され、6つの映画賞を受賞した。また、短編映画でも高い評価を得ており、クロスロード3部作(「The Last Farm」/2006年、アカデミー賞®ノミネート)、「2 Birds」/2008年、カンヌ国際映画祭コンペティション部門およびヨーロッパ映画賞ノミネート、「Anna」/カンヌ国際映画祭監督週間)は合わせて100以上の国際的な賞を受賞している。