2010年代に起きたギリシャの奇妙な波といわれるムーブメントの象徴的存在となっているヨルゴス・ランティモス監督の単独監督による長編第1作。のちに数々の映画祭を席巻する前夜の作品。内容は、ギリシャの海辺のリゾート地キネッタで、オフシーズン中に男女3人が残忍な殺人現場を儀式的に細部まで再現していく。しかし、彼ら自身の現実世界の境界はあいまいになり記号化していく。セリフもほぼなく手持ちカメラのため見る人を選びますが、実験的映画が好きなかたには刺さるはず。不条理な暴力性と冷徹な視線が交錯し、観る者の倫理観を静かに揺さぶり続け、強烈な違和感を残します。