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4人がどんどん一体化してる

 音数を少なくしながらも、曲の存在感、聴きどころ、揺らしどころを巧みに設けているのは、ミックスを手がける砂原の腕の見せどころである。

 「たぶん、時代感をバキバキに意識しているのが砂原さんで、頭のなかでいろいろ考えてると思うんですよね。ニューウェイヴっぽさとか、80sっぽさとか、その時代時代の音楽性ってあるじゃないですか。オリジナリティーと、いまなんとなく来ているトレンドみたいなものをどこまで近づけてどこまで離すか。ローファイな80sってここ数年わりかしメインな音ではあったと思うんですけど、砂原さんは音数とかも人一倍デリケートに考えてトラックを作っていると思いますよ。増やそうと思ったらいくらでも増やせるってよく言ってたんですけど、僕もギターを入れるときにすごくそのキーワードに対して意識しながらやってました。とても少ない数で成り立たせるっていう逆のチャレンジで」(永井)。

 「難しいよね、入れないって。テンション上がって入れたくなるんだけど、そこを我慢して」(今井)。

 ラスト9曲目“Initiation”は砂原作のインストゥルメンタルで、ちょっと不穏な空気を残してアルバムを締め括る。いや、締め括るというか、次の新しい何かがもう始まるかのような予告めいたものを仄めかしている。

 「続くんだと思いますよ、To Be Continuedだと思います。たぶん、次に作るときはまた全然違うものになると思うし、そういうバンドが昔から僕も好きなんですよ。ずっと同じ、みたいなシグネチャーがあるバンドも好きだし、そういうバンドのファンでもあるんですけど、TESTSETはイイ感じに転がって、進化していくタイプのバンドかなと思っていて。みんなけっこうキャリアがあるのに、わりとチャレンジングなことができますからね」(永井)。

 キャリアに裏付けられた各プレイヤーのシグネチャーというしっかりとした重心を持ちながら、柔軟性とバランス感覚を持ってつまずくことなく転がれるメンバーたち。その現状は、『ALL HAZE』というアルバム・タイトルにも込められていたようだ。

 「メンバーそれぞれの音楽的要素が靄(haze)のように、より融け合ってるなっていう意味で、4人がどんどん一体化してるっていうのを、まぁ、言いたかったんです」(今井)。

 さしずめジャケットの淡いピンク色は、彼らの熱感を表している、ということだろうか。To Be Continued...。

TESTSETとメンバーの関連盤を紹介。
左から、TESTSETの2023年作『1STST』、METAFIVEの2022年作『METAATEM』(共にワーナー)、砂原良徳・LEO今井・白根賢一が参加した高橋幸宏のライヴ音源集『WORLD HAPPINESS』(BETTER DAYS)、砂原良徳がリミックスで参加した井出靖の2024年作『THE JOURNEY』(Grand Gallery)

左から、アナログでリイシューされた白根賢一の2008年作『manmancer』(MANMANCER/AWDR/LR2)、永井聖一が在籍するQUBITの2023年作『9BIT』(コロムビア)

砂原良徳リマスターの近作。
左から、高橋幸宏のベスト盤『THE BEST OF YUKIHIRO TAKAHASHI [EMI YEARS 1988-2013]』(ユニバーサル)、高野寛の2024年作『Modern Vintage Future』(UMA)、立花ハジメのベスト盤『hajimeht』、P-MODELの86年作『ONE-PATTERN』(共にソニー)、プノンペンモデルの2025年作『Vast Empty Pulse』(IRQ)

LEO今井が参加した近作。
左から、SEATBELTSの2023年作『COWBOY BEBOP Soundtrack From The Netflix Series』(flying DOG)、坂東祐大の2024年作『怪獣8号 オリジナル・サウンドトラック』(コロムビア)

 


LIVE INFORMATION
‘LIVE ALL HAZE’

2026年1月30日(金)東京・EX THEATER ROPPONGI
INFO:HOT STUFF PROMOTION https://www.red-hot.ne.jp