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2025年のソウル復刻&発掘タイトル、私的ベスト10はこれや!
選・文/出嶌孝次

VARIOUS ARTISTS 『Let Me Down Easy: Echoes From Cheri Records』 Miles Away(2025)

音楽界に足跡を残したレーベルやスタジオに焦点を当てるべくロンドンのマイルズ・アウェイが立ち上げた新シリーズ〈Echoes From〉の第1弾となるコンピで、ニュージャージーのソウル/ゴスペル系レーベルが74〜82年の間に残した楽曲を集めた一枚。これが予想以上に宝石だらけの内容で、デヴィッド・モラレス“Needin’ U”の元ネタとして名高いレア・プレジャーのクラシック“Let Me Down Easy”を筆頭に全曲ハズレなしの好盤でした。

 

DONAL LEACE 『Donal Leace』 Atlantic/Rhino(2025)

ロバータ・フラックが天に召されたタイミングで世界初CD化が実現した、彼女の隠れたプロデュース作品。ワシントンDCを拠点に活動したフォーク歌手の佳作で、カニエ・ウェスト“Hey Mama”でネタ使いされたゴスペルの“Today Won’t Come Again”やジョニ・ミッチェルの提供した“Midnight Cowboy”など、社会派から日常系までニュー・ソウル時代の情緒を素朴な歌心に結びつけたフォーキーな内容が素晴らしかったです。

 

CON FUNK SHUN 『Organized Con Funk Shun』 Pickwick/Robinsongs(2025)

70〜80年代を代表するファンク・バンドのひとつで、現在も活動を続けるコン・ファンク・シャンの、幻のファースト・アルバム。もともと73年にメンフィスで録音されるもその時点では世に出されることなく、バンドがマーキュリーでブレイクした後の78年になってようやくリリースされたという代物で、こういう重箱の隅的な世界初リイシューも快挙。後に確立される個性はまだ見えないものの、剥き出しのアーシーなグルーヴが楽しめる好内容です。

 

FORMULA IV 『Come And Get Yourself Some』 Rocky Road/OCTAVE-LAB(1974)

この後にはフォーミュラVとしても活動を継続していくUS西海岸のバンドが、ヴォーカル・グループ的な佇まいで聴かせた唯一のアルバム。ケンドリック・ラマー&ドクター・ドレー“Compton”のネタとして知られる“What’s This World Coming To”も収録。MG’s脱退後のスティーヴ・クロッパーが5曲のプロデュースを手掛けており、もちろんソウル・ミュージックの進化と発展に絶大な功績を果たした彼への敬意を表しての選盤でもあります。

 

VARIOUS ARTISTS 『Hit & Run! More Motown Guys』 Kent(2025)

コンスタントながらも近年はペースダウン気味なケントのモータウン発掘シリーズが久々に到着。2016年以来となる3枚目の〈Motown Guys〉盤で、お蔵入りしていた25曲もの〈男たちの歌〉を集めたコンピです。スモーキー・ロビンソン&ザ・ミラクルズやテンプテーションズ、フォー・トップス、マーヴィン・ゲイといったビッグネームならずとも素直に楽しめる内容は毎度の凄さ。制作中に逝去したコンパイラーのキース・ヒューズにも改めて敬意を。

 

SLY & THE FAMILY STONE 『Sly Lives! (AKA The Burden Of Black Genius)』 Legacy(2025)

ずっと浮世離れした人のように感じていたのでショックはないものの、クエストラヴが監督したドキュメンタリー映画「スライ・リヴズ!」の発表に合わせたかのような逝去の報には驚かされました。そのサントラとなるこちらはスライとファミリー・ストーンの代表曲を中心にした定番集としても機能する一方、臨場感のあるオルタネイト・ミックス群が初出の音源だったりもするので、本編の意図とは切り離した部分でも必携な重要盤となっていました。

 

TINA TURNER 『Good Hearted Woman - The Definitive Edition』 Wagner/Explore Rights(1979)

2025年でいうと『Private Dancer』の40周年記念盤リリースもデカかったティナ。一方のこちらは、初ソロ作となる『Tina Turns The Country On』(74年)に先駆けてジャック・ミルマンがカントリー・アルバムとして発案し、録音も完了していたという楽曲集。79年に編集盤という扱いで世に出たものの、つまりは幻のソロ・デビュー作と捉えたほうがいい内容で、彼女一流のソウルフルな心根で歌い上げる数々のカントリー・ソングが堪能できます。

 

VARIOUS ARTISTS 『Midland & Midsong International Disco Classics 1974-1980 Selected by T-GROOVE』 OCTAVE-LAB(2025)

70年代ディスコ・ブームと浮沈を共にしたレーベル、ミッドランド/ミッドソング・インターナショナルの大挙リイシューも賑やかだったなか、日本が誇るディスコマスターのT-GROOVEがコンパイルした23曲入りの本作は、評価されてこなかったレーベルの軌跡を辿れるという意味でも特に価値ある一枚に。シルヴァー・コンヴェンションやキャロル・ダグラスのような看板アクトの定番はもちろん、シングルのみで終わった面々の謎な曲も上々でした。

 

WAR 『Live In Japan 1974』 Rhino/ワーナー(2025)

初来日から50周年という節目の2025年に久々の来日を果たしたウォーでしたが、まさにその50年前の来日公演の模様を収めた2CDのライヴ盤が登場したのはトピックでした。当時の最新作『Deliver The Word』(73年)からのヒット・チューン“Gypsy Man”なども繰り出しながら、まだリリース前だった名盤『Why Can’t We Be Friends?』(75年)の収録曲も披露され、そのあたりがオリジナル・メンバーの熱演で聴けるのも貴重だ。静岡の熱狂的な観客と交歓する“Shizuoka Chant”も熱い。

 

PRINCE & THE REVOLUTION 『Around The World In A Day (Deluxe Edition)』 Paisley Park/Warner Bros./NPG/Rhino/ワーナー(2025)

40周年のタイミングで届いた2CDのデラックス・エディション。リマスター音源でシングルB面曲/ヴァージョンなども網羅し、21分超の“America”も2種の“4 The Tears In Your Eyes”もバッチリ収録。未発表曲やアウトテイクなどがないのは時期的に仕方なさそうだとして、いずれ『Parade』周辺が出る暁にはいろいろ期待したいです。