活動40周年を迎えた小山実稚恵、大切なレパートリーで初のライヴ盤をリリース
日本のクラシック音楽界を牽引し続けているピアニストの小山実稚恵が2025年に活動40周年を迎えた。全国各地でのリサイタル開催、記念盤『アルバム』のリリース、サントリーホールでの協奏曲シリーズ〈Concerto<以心伝心>〉を終えるなど話題の多い1年となったが、今年の5月には〈以心伝心〉の最終回(於:2025年10月12日、サントリーホール)の模様を収めたライヴ録音による新譜『ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番』がリリースされた。
「ライヴ録音は初めてなのですが、その場でしか生まれない緊張感や音楽の流れを収録することができるのが大きな魅力ですね。今回ご一緒した指揮のドミトリー・ユロフスキさんの音楽は、これぞ〈ロシア音楽!〉という雄大さがあり、長いフレーズの中でも構築感が保たれていくところなどに感激していました」
もともとこの公演はウラディーミル・フェドセーエフが指揮を務める予定だったが来日が叶わず、彼の推薦によって、ユロフスキが東京フィルハーモニー交響楽団とフェドセーエフ・フレンズをまとめる役割を担っている。
「さすがフェドセーエフさんのご推薦で、まだお若いですが本当に素晴らしい指揮者でした。言葉で、というよりは実際に合わせる中で自然に呼吸が合って音楽をつくりあげていけました。ぜひまたご一緒させていただきたいですね」
今回収録されたラフマニノフのピアノ協奏曲第2番は小山のキャリアのなかでも特に演奏回数の多い楽曲であり、チャイコフスキー国際コンクールの本選で演奏した思い出の曲でもある。
「本当に様々な場で弾かせていただきましたが、ご一緒する指揮者やオーケストラによって全く演奏が変わるので、自分を振り返るという意味でもとても重要な楽曲になっています。今回このように形にすることができてうれしく思います」
40周年を迎え、さらに精力的に活動を展開している小山。6月からはサントリーホール・シリーズII〈Recital<未来永劫>〉も開始した。ますます輝きと深みを増す彼女の音楽が聴衆を魅了していくことであろう。
「初回がベートーヴェン、そしてシューベルト、ショパン、バッハ。4人の作曲家の4回のリサイタル・シリーズです。とくに近年はシューベルトの音楽に強く惹かれていて、CD録音もしたところです。さまざまな場で弾いていきたいと思っています」
