前作から1年半弱での新作発表となったK・ミシェル。自身が出演するTVリアリティ・ショウの人気に乗じて放つ2作目は、先行曲“Love 'Em All”を手掛けたシェイ・テイラーをはじめ、ジャスティス・リーグ、エリック・ハドソン、オーク、ティモシー・ブルームらの若き名匠たちが制作したピアノやシンセが基調となる音数少なめのバラードが中心で、一途な熱唱が痛いほどに突き刺さってくる。その力強くスケールアップした歌声は、リル・ロニーらが手掛けたブルージーな“Cry”や、ドレイクに恋慕の情を抱く女子の代弁者を演じるような“Drake Would Love Me”などを経てカントリー風のラスト・ソングに至るまで遠慮なし。歌だけでドラマティックなソウルを組み上げていくような裸一貫ぶりに〈姐さん〉と慕いたくなる。