全力でR&Bを歌ってきたクイーンが移籍して放つ約5年ぶりの新作は、ゲストも裏方もゴージャスそのもの。DJキャレドのほかデイヴ・イーストやファイヴィオ・フォーリンも迎え、NYドリルを含めたヒップホップとの繋がりはキープしつつ、DマイルとH.E.R.が手掛けた重厚なスロウの表題曲ではラッキー・デイとも共作してR&Bの最前線を行く。90sレミニスな後半部も快演で、他曲で客演したアンダーソン・パークが“My Life”的なムードを呼び覚まし、ロンドン・オン・ダ・トラックによるマイケル・ジャクソン風のメロウ美曲、旧知のクール&ドレーが制作した70sマナーのソウルを経てアッシャーとの共演へと至る流れは見事。風格を湛えながらストリート目線で歌い通すMJBには今回も降参だ。