コラム

旧EMIクラシックスから厳選した「クラシック・マスターズ」続編第1弾より、ノリントン&LCPのベートーヴェンなどを紹介

大好評につき、続編100タイトルがリリース決定! 全200タイトルの大シリーズに! 

 旧EMIクラシックスの膨大な遺産の中から名盤を厳選し、カタログ化するワーナーの「クラシック・マスターズ」シリーズ。昨年発売された第1期全100タイトルが好評であったため、今回続編として新たにもう100タイトルが追加されることになりました。せっかくの名盤も入手困難では意味がないので、このように流通の良い国内盤としてカタログ化され、店頭にきちんと並ぶというのは非常にありがたいことです。文化的にも意義のある企画だといえるでしょう。可能な限り海外からの新規マスターを用いる、オリジナルのフロント・カヴァーを使用、歌詞対訳も出来るだけ掲載…というコンセプトも素晴らしく、支持される理由となっています。 

ROGER NORRINGTON ベートーヴェン:交響曲第4番&第5番「運命」 Warner Classics(1992)

【参考音源】ロジャー・ノリントン指揮によるベートーヴェン“第5番「運命」”

 

 第2期の第1回として発売される25タイトルの中から、お薦めのアイテムをご紹介しましょう。まずはノリントン&LCPによるベートーヴェン。80年代後半の録音ですが、古楽奏法による解釈の面白みやサウンドのインパクト、爽快感はまったく薄れることがなく、今聴いても十分刺激的です。この演奏でベートーヴェンの交響曲と出会える(出会えた)方は幸せでしょう。どれか1枚を選ぶとすれば、第5番「運命」をお薦めします。「ベートーヴェン的なるもの」が最もわかりやすく、はっきりと刻印された作品であり、それとノリントンの演奏スタイルが見事に合致しているのです。

MICHEL PLASSON ビゼー:劇音楽「アルルの女」全曲 Warner Classics(1986)

【参考音源】ミシェル・プラッソン指揮によるビゼー“序曲 「祖国」 Op.19 ”

 

 プラッソンによる6枚のフランスものも見逃せません。中でもビゼーの劇音楽《アルルの女》の「全曲版」は要チェック。「ファランドール」の中で用いられる2つの有名な旋律を、合唱付きで聴いたことはありますか? こんなに有名な作品なのに、全曲を聴く機会がほとんどないのは不思議というほかありません。組曲には含まれない静謐な楽想が美しく、それはこの戯曲の持つ雰囲気に不可欠なものです。ドーデの書いた物語の悲しい結末をご存知の方は、これがビゼーの書いた本当のフィナーレだったのかと驚かれることでしょう。