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【wright on time】第3回(前編)fox capture planの岸本亮が、カヴァー作品『COVERMIND』のコンセプトや選曲について語る

最注目レーベル・Playwrightの現在進行形をオンタイムでお届けする連載!

今年の第2弾『COVERMIND』と、その〈カヴァー精神〉とは?

 

【岸本 亮】83年生まれ、京都出身のピアニスト。2011年に自身がリーダーとなってfox capture planを結成。JABBERLOOPやPOLYPLUSでも活動中。

 

 大島優子主演のTVドラマ「ヤメゴク~ヤクザやめて頂きます~」で初の劇伴に挑戦するなど、活動の場を広げているfox capture plan。本連載では、今年2枚目の新作として7月8日に登場するカヴァー・アルバム『COVERMIND』を2か月連続で紹介。今回はリーダーの岸本亮に、そのコンセプトや選曲について語ってもらおう。

fox capture plan COVERMIND Playwright(2015)

 

【カヴァーという行為について】

 キース・ジャレットのトリオのようにスタンダード曲を専門的に演奏するミュージシャンがたくさんいるぐらい、ジャズはカヴァー文化が浸透している音楽だと思うんです。僕らは一般的にイメージされるジャズ・ピアノ・トリオの側面も多く含んでいるので、カヴァーすることは、単純にそういうジャズ・バンドらしさを提示する方法のひとつだと考えていますね。

 それと個人的には、自分たちの発想だけでは書けないような曲の力を借りて、バンドのポテンシャルを引き上げられるということ。あと、微力ですが、自分たちが影響を受けた音楽を今後スタンダード化したいという願いに伴った活動。このふたつがカヴァーする主な理由ですかね。

 

【『COVERMIND』について】

 リスナー層をより広げていくためのフックとして、誰もやっていないコンセプチュアルなカヴァー集があるとおもしろいんじゃないかという構想は、結成当初からありました。今回の選曲は90年代の洋楽の人気曲という縛りにしました。いまはわからないですが、昔は〈洋楽を聴く人=音楽が好きな人〉っていうイメージがあって。アルバムとしての統一感もですが、そういう自分たちと世代の近い〈音楽好き〉の心に、より突き刺さると思ったので。

 タイトルはぶっちゃけ、90sロックを代表するあの名盤をもじったら良い感じの響きになったってのが由来です(笑)。直訳すると〈カヴァー精神〉。自分たちのカヴァー曲への取り組み方とリンクしてる感じがしたので、このタイトルに決めました。

 

【選曲について】

 今回は、メンバーそれぞれの音楽的なバックグラウンドにどれかしら当てはまる楽曲を選んでいます。そういう選曲が一枚に収まることで、化学反応的なことが起こればおもしろいなと思って。なかでもアンダーワールドの“Born Slippy”は、なぜか構想しはじめた頃からリード曲にするって決めてました。BSで観た99年の〈フジロック〉でのパフォーマンスが印象的だったのと、90年代を代表するクラブ・アンセムなので、絶対に外せなかったです。

 カーディガンズの“Carnival”は、小学生の頃、土曜の昼に母親の車に乗っていることが多かったのですが、毎週のようにラジオから流れてて印象に残っていた曲なんです。それに、もともと今回のアルバムには女性ヴォーカルの曲が少なかったので、僕とカワイで選びました。

 それと“Paranoid Android”が収録されているレディオヘッドの『OK Computer』は当時聴きまくりました。楽曲構成の狂気じみている感じがなんとも言えないので好きな曲です。ブラッド・メルドーはピアノ・ソロでカヴァーしていましたが、僕らはピアノ・トリオで表現してみました。

 初ライヴでも演奏したオアシスの“Wonderwall”とビョークの“Hyperballad”、それとマッシヴ・アタック“Teardrop”は結成初期からのレパートリー。過去の作品にも収録していますが、自分たちの楽曲に対する理解度が深まっているので、このタイミングで録り直しました。以前のヴァージョンと聴き比べてもらいたいですね。 

【参考動画】fox capture planの2015年作『UNDERGROUND』収録曲“this wall”ライヴ映像
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