1950年、30歳という若さで亡くなられた伝説の女流ピアニスト、ローザ・タマルキナ。彼女の名と演奏をご存じの方は少ないかもしれない。今回〈Scribendum Argento〉から3枚組で貴重な録音が収録されたアルバムが発売された。1曲目を飾る“ショパン:スケツッオ第3番”。その類まれなテクニックから奏でられる情熱的な音楽は鳥肌もの。力強く全身全霊で音楽を生み出している姿が時代を超えて脳裏に浮かんでくるようだ。勿論、他の演奏も聴き応え抜群。また彼女の音楽人生で有名なエピソードといえば、ギレリスとフリエールとのプロポーズ話。本演奏を聴いて興味をもたれた方は彼女の生涯を知って頂きたい。