チェコの生んだ最大の巨匠ピアニスト、ルドルフ・フィルクシュニー(1912-1994)の最充実期のライヴ録音。1976年3月16日、ベルンにおけるステレオ収録で音質良好です。フィルクシュニーの明晰な精度の高い指捌きは、モーツァルトやショパンからドヴォルザーク、少年期に同じボックスでオペラを見るなど直接薫陶を受けた十八番中の十八番のヤナーチェクまで、興隆に富んだ彫りの深い音楽を紡いでいます。ショパンのソナタ第3番のスケールの大きい表現、アンコールに弾かれたスメタナのチェコ舞曲から「熊」のちょっと気取った語り口の面白さは聴きものです。