ユリア・ヒュルスマンが、テオ・ブレックマンをゲストに迎えたクルト・ワイルの作品集。いくつか自作曲も交えて、ワイルとアメリカというのが新作のコンセプト。これまでランディ・ニューマン、ニック・ドレイク、スティングの楽曲を取り上げてきたヒュルスマンだが、このワイルもなかなかに斬新かつ、新鮮。シゼル&ブッゲを思わせるが、透明度の高い穏やかな響きの下では密で感度の高いインタープレイがくり広げられる。E・E・カミングスや、エミリー・ディキンソンの詩に代わって今回は、ウォルト・ホイットマンの詩を取り上げ作曲した。しかし曲間に異様な長さの沈黙を挿入するのは、どうしてなのだろう。