5代目ネーネーズは、NENESからNENEZに!

 『リボーン』と名付けられたネーネーズの新作が届いた。《黄金の花》といったオキナワン・ビューティフル・ソングをリボーンさせたこのセルフ・カヴァー集の主役は5代目ネーネーズ。平均年齢は23.5歳。この9月でちょうど結成1年になる出来たてホヤホヤな4人だ。

ネーネーズ リボーン キング(2015)

 「一気に1/2のメンバーが変わってしまって、正直最初はプレッシャーでした。でも4人が揃ってみるとすごくイケそうな感じがして。そんなに気を張らなくて良かったなと」といちばん古株の上原渚が話す。そんな彼女の発言を受けて「あっという間の1年でした。最初は怖くてステージを逃げだしたくてしょうがなかった」(世持葵)「先輩ふたりがすごくプレッシャーを抱えているのがわかってたので、私たちは相当の覚悟が必要だと思いました。でもすぐに仲良くなれたことがビックリして」(沖山美鈴)とこたえる新入りたち。いやきっと、毎晩舞台を一生懸命にこなしつつコミュニケーションを良くしながら徐々にチームワークを高めていったのだろう。アットホームな温かい雰囲気を持つ本作に触れているとそんな想像が働いてしまう。その雰囲気だが、いつもと違う方法でレコーディングできたことも功を奏したと本村理恵は言う。

 「ステージのように一列ではなく、マイクを4本立てて4人が向かい合って歌ったんですよ。ひとりひとりの表情が見られて安心できたのが大きかった」。「私は恥ずかしかったけどね。なんで理恵の顔を見ながら歌わなきゃいけないんだろうって」とすかさず上原が茶化す。「で、間違えたときは、ヤバい!って表情になって」と笑いながら沖山が入ってくる。心地良いテンポが作り出すなんとも良い雰囲気。こういうところが間違いなく5代目らしい魅力と言えるのかと。4人らしさとはなんだと思う?と問えば「若さ、元気さ(笑)」と沖山が迷うことなく即答する。「初代が持ってた凄味とか無いかもしれないけど、それぞれの声色の特徴がきちんと出ているし、私たちらしく歌えたと思う。ずっと民謡を触ってきた人と触ってこなかった人の集まりなので〈そこにその節入れる?〉みたいな面白い発見もよくあるんです」(上原)

 4人の個性の絡み合いによって生み出された意外性がいいふうに働いていて、全体を包む活き活きとした躍動感に繋がっていることは確かだ。

 「何年後かに聴いたら〈でーじへたくそ〉ってなるかもしれないけど、これがいまの私たちの最高のものだと言えるアルバムになっていると思います」(上原)

 挨拶状としてこのうえなく見事な内容の『リボーン』。いま強く思うのは、純粋なオリジナル・アルバムを早く聴きたいってこと。心よりお待ちしてます。

 

LIVE INFORMATION
CD発売記念ツアー
○10/25(日)横浜「パラダイスカフェ」
○10/26(月) 東京小岩「こだま」
○10/27(火) 茨城小岩「こだま」
○10/28(水) 名古屋「オキナワAサインバーKOZA」
○10/29(木)大阪道頓堀「おぼらだれん」
nenes.ti-da.net/

*沖縄の「ライブハウス島唄」に、ほぼ毎日レギュラー出演中
www1a.biglobe.ne.jp/dig/simauta_top.html