南仏トゥールーズに生まれ、少年期からラヴェルの音楽と密接な関係を築いてきたシャマユ、満を持してのラヴェル:ピアノ独奏曲全集。《水の戯れ》で20世紀音楽と出会い、エッセール、ペルルミュテルを通してラヴェルへと繋がる彼が、一切の迷いなく、ごく自然なスタイルで作り上げた完璧な1枚です。確かなテクニックで明晰な演奏を行っていますが、生み出される音楽に硬さはありません。打鍵時のノイズを排したタッチの柔らかさ、繊細さが中間色の温かみを生み、今までにないラヴェルを描き出しています。15ページにわたるインタヴュー&解説も必読。詩人ベルトランを絡めての考察が面白い。