バンドというものは往々にして肥大化する事を余儀なくされ、その醜態を晒すものである。深化する為にその身を削り果敢に新たな地平へと挑んでゆく姿を目の当たりにし、輝きを勝ち得る瞬間に立ち会える喜びはなにものにも変えがたい。2014年に惜しまれながらその活動を休止したデンマークの至宝Efterklangのメンバーが、パーカッショニストのTatu Ronkkoと組んだ新バンドLiima。活動初期よりネットにアップされてきた音源はまるで奇跡でも見ているかのごとくビルドアップされてゆき、有機的なエレクトロニクスと彼等独自の歌、そしてビートが美しく結実している。

 


エフタークラングのメンバーと、同じデンマーク出身のパーカッショニストによる新ユニットが4ADからアルバム・デビューを飾った。フィンランドやイスタンブール、マデイラ島などを旅しながらレコーディングを行ったという歌モノ環境トロニカは、曲ごとに異なる地域へ連れて行ってくれるような仕上がりだ。特にアフロ・ポリリズムの再考を試みたナンバーが、イーノ&ハイド作品をも凌駕するほどの素晴らしさ!