KIDS NEVER DIE 2016
[特集]いままたポップ・パンクが盛り上がっている理由

FALL OUT BOY 『American Beauty/American Psycho』 Island/ユニバーサル(2015)

同世代のバンド中でも早い段階からアーバン・ポップに接近し、脱パンク化を図ってきたFOB。しかし活動再開後初となる本作では、疾走感重視の簡素な演奏をメインに据えていて嬉しい限り。結成時の2000年代前半に回帰したとも言えるが、鋭い嗅覚で時代の空気を敏感にキャッチした結果のようにも思える。 *粟野

 

5 SECONDS OF SUMMER 『Sounds Good Feels Good』 Capitol/ユニバーサル(2015)

顔を隅に追いやったジャケは、音で判断してほしいという気持ちの表れ!? 演奏が格段に分厚くなり、今夏は〈ワープト・ツアー〉に飛び入りするなど界隈での評判も上昇中です。もしアナタが彼らを色眼鏡で見ているのなら、オール・タイム・ロウやマッデン兄弟の参加を抜きにしても、一度ちゃんと聴いてみて! *山西

 

TOM DeLONGE 『To The Stars... Demos, Odds And Ends』 To The Stars(2015)

ブリンク182脱退直後に自主リリースした初のソロ作。アコギの弾き語りやゴスいエレポップなど、独り立ちしてやりたいことをやりきった印象だが、そんななか再出発に向けた決意表明曲“New World”が思いっきりブリンク風で未練を感じさせたり!? 正調ハードコアなナンバーもトラヴィス好みだ。 *山口

 

SIMPLE PLAN 『Taking One For The Team』 Atlantic/ワーナー(2016)

グッシャーと同年にブレイクし、彼らと共にシーンの裾野を広げてきた5人組。数々の挑戦を経て原点回帰した2011年の前作が評判を呼び、本作でもその路線を踏襲している。だが、あのヤンチャ小僧たちも30代半ば。年相応の落ち着きをチラ見せするなど、『Youth Authority』との共通点は多い。 *山口

 

MEAN JEANS 『Tight New Dimension』 Fat Wreck(2016)

バーガーにも作品を残しているポートランドの3人組が放った移籍第1弾。単純明快な3コードで真っ向勝負!という姿勢が格好良く、『Dookie』時代のグリーン・デイと近い距離感からラモーンズを咀嚼したような雰囲気です。サーフ・ガレージ経由で徐々にパンク化しているウェイヴスのファンもぜひ。 *山西

 

LOOKLIKE 『Wake up!!』 WORLD WIDE(2016)

関西を中心にファン・ベースを固めてきた、京都生まれの兄弟バンドによるファースト・フル・アルバム。応援歌やラヴソングを得意としているようで、伸びやかなハイトーン・ヴォーカルと飾らない言葉を並べた歌詞は多くのリスナーから支持を得そう。〈ポストWANIMA〉の座も十分に狙える期待の新人だ。 *荒金

 

ANDY BLACK 『The Shadow Side』 Spinefarm(2016)

ブラック・ヴェイル・ブライズのフロントマンで、〈サマソニ〉出演も記憶に新しいアンディの初ソロ作は、ポスト・ハードコアとグラム・メタルを掛け合わせたような本隊とは異なり、歌を聴かせるストレートな内容に。とりわけブリンク182に新加入したマット・スキバ客演曲“Stay Alive”のメロが秀逸。 *粟野

 

ALL TIME LOW 『Future Hearts』 Hopeless/KICK ROCK(2015)

古巣ホープレスに復帰してから2枚目となる本作は、ドリームらと築いたメジャー時代のアーバンな曲調が完全に影を潜め、己のルーツを見つめ直した一枚。憧れのマーク・ホッパスやジョエル・マッデンをゲストに迎え、バンドは大張り切りだ。その結果、キャリア最高位となる全米2位/全英1位を記録。 *山口

 

MONOEYES 『A Mirage In The Sun』 ユニバーサル(2015)

細美武士を中心に、the HIATUS仲間の一瀬正和やアリスターのスコット・マーフィーが集ったバンド。この初作にはMxPxを彷彿とさせる軽快なサウンドがギッシリ詰まっており、思わず小躍りしたくなる。特に日本語曲がELLEGARDEN時代に回帰したような雰囲気で最高! こういう細美を待っていた!! *荒金