今世界で最も注目されている映画作家/美術作家であるアピチャッポン・ウィーラセタクンをめぐる初の評論集。この本の登場を待っていた人も多いのでは! というのも、アピチャッポンほど、映画/アート/文化人類学/歴史/ジェンダーなど多様な側面を持っている作家もおらず、更にヴィデオ・インスタレーションなどを含めると作品数も大量で、作家の全貌が掴みづらいからだ。本書は、各ジャンルの識者によるアピチャッポン論を中心に、監督自身のインタヴュー、映画のみならずアート作品含む紹介リストもついている。初心者にもアピチャッポン中毒者にも開かれた一冊である。