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さまざまに枝分かれしながら多様化を進める、この1年ほどのニンジャ・チューン絵巻

MACHINEDRUM Human Energy Ninja Tune/BEAT(2016)

ジュークやジャングルなど時代の空気に合わせて作品ごとにモードを切り替えているマシーンドラムが、この最新作で見せたのは南国R&Bです。ジェシー・ボイキンス3世やドーン・リチャードらの力も借りて地下都市から這い出し、お日様の光を吸い込んだ感じ!? *山西

 

THE HEAVY Hurt & The Merciless Counter/BEAT(2016)

カウンターの看板を背負うこのロックンロール・バンド。この最新作では大掛かりなホーン&コーラス隊を動員し、テンプテーションズ“Get Ready”への直球オマージュなど、かつてのニンジャにあったストイックさのカウンターにあるパーティー盤になっています。 *山西

 

ROMARE Love Songs: Part Two Ninja Tune/BEAT(2016)

近年のハウス~ビートダウン人気を牽引する気鋭で、ボノボやフォルティDLの後押しも受けるロメア。ブラック・エイカーで名を売った後、この2作目ではニンジャ入り。少々ノスタルジックな生音と鮮やかなサンプリングで、ニンジャの今昔を繋いでいます。 *山西

 

LETHERETTE Last Night On The Planet Ninja Tune/BEAT(2016)

コールドカットばりのハイセンスなサンプリング作法で、ニンジャの伝統を現代に受け継ぐ2人組。難解な方向へは傾かず、あくまでもフレッシュ、そして時にメロウで官能的なカットアップ・ディスコでリスナーの心と身体を踊らせるのがBボーイの嗜み。 *山西

 

HIEROGLYPHIC BEING The Disco's Of Imhotep Technicolour(2016)

自身のマスマティクスなど複数レーベルに痕跡を残しまくるシカゴの前衛ハウス奇才、ジャマール・モスが忍者の門を潜った一作。 フリークアウトしたドープでロウな音像はレヴェンティスに続くテクニカラーの第2弾アルバムに相応しいものだった。 *出嶌

 

JAY DANIEL Broken Knowz Technicolour/BEAT(2016)

カイル・ホール→ピンチ→シャーウッド→コールドカットと縁を辿れば、カイル主宰のワイルド・オーツで脚光を浴びたデトロイトの若き鬼才がテクニカラーからリリースするのも自然な流れ(?)。漆黒のディープ・サウンドでストイックな音響ハウスを天まで飛ばす。 *出嶌

 

BONOBO Migration Ninja Tune/BEAT(2017)

2000年以降の忍者の基軸のひとつとも言える、内気なエレクトロニカ~ダウンテンポ路線を引っ張ってきた古株。キャリアハイを更新したこの最新アルバムでは、ライなど多くの歌い手をフィーチャーし、ドリーム・ポップ好きにも親しみやすい仕上がりに。 *山西

 

NATHAN FAKE Providence Ninja Tune/BEAT(2017)

ボーダー・コミュニティの隆盛を支えたネイサン・フェイクもここからニンジャに移籍。さらに踊れる要素を削ぎ落として聴き手を脳のグラグラ揺れるディストピアへ導く内容で、“Unen”などでの終わりの見えないドローン使いは、フォレスト・スウォーズと繋がる部分も? *山西

 

ACTRESS AZD Ninja Tune/BEAT(2017)

自身の運営するヴェルクごと傘下に収まる形で忍びの道に入ったアクトレスは、テクニカラーにおけるレヴァンティス名義作を間に挿んだこの最新作で本隊ニンジャに移籍。ニューウェイヴィーでアーティーなコラージュ感覚も操って昔のコールドカットっぽい通俗性にも接近した感じ! *出嶌

 

THE BUG vs. EARTH Concrete Desert Ninja Tune(2017)

“Jah War”でニンジャ道に踏み入って早10年の鬼才バグ。ドローン・メタルの雄たるアースのディラン・カールソンと組んだ本作は、ドゥーミーな圧で砂塵の吹き荒ぶ実験的なアンビエント・ラガ盤だ。昨年DダブルEらと発表したグライム路線の続きも期待! *出嶌

 

DAUWD Theory Of Colours Technicolour(2017)

テクニカラーの最新リリースは、ゴーストリーやコンパクトでシングルを重ねてきたベルリン在住の英国人テック・ハウサーによる初めてのフル・アルバム。スペイシーかつ硬質なここでの作風が今後のレーベル・カラーを規定していきそうな雰囲気もあるか。 *出嶌