クラシックの作曲家を語る、といえば文字要素。どうしても堅苦しいイメージが先行しがち。そのアレルギー満載な世界観を和らげるカンフル剤的一冊の登場。「百聞は一見に如かず」ではないが、多くの写真で分かり易く武満徹の経歴や思想をまとめていて、難しいと思われやすい(実際聴いてみれば馴染みの良い曲もたくさん)曲の案内書として最適な内容となっている。章の合間に挟まれたコラムもなかなかの読み応え。作者は武満徹全集の編集にも携わった小野光子さんだけに、ツボの抑えどころは見事の一言。特にポップス・映画の箇所、そしてタイガース・ファン(!?)は必読と言っていい。