カナダを代表するシンガー・ソングライター、ブルース・コバーン。キャリアは40年以上、初期の傑作と謳われるセカンド・アルバム『High Winds White Sky(雪の世界)』(71年)など多くの名盤を残してきたことで知られる彼が、9月29日(土) と30日(日)の2日間、Billboard Live TOKYOで来日公演を行う。

フォーク、ロック、ジャズ、ワールド・ミュージックといった、多様な音楽への愛とリスペクトを感じさせる、豊かで繊細なサウンド。そして巧みなギター・プレイと、ときに社会的なメッセージを込めた歌で、長年音楽ファンを魅了してきたレジェンドは、今回が四半世紀ぶりの来日公演となる。めったに来日しないミュージシャンだけに、絶対に観逃せないだろう。

『High Winds White Sky』収録曲“Happy Good Morning Blues”
 

コバーン45年、カナダはオタワで生まれ、エルヴィス・プレスリーやチャック・ベリーを聴いて音楽に目覚める。10代の頃よりギターを弾きはじめ、バークリー音楽大学でジャズの理論や作曲を学ぶも中退。カナダに戻り、オタワでチルドレンというバンドや、いくつかのグループに参加するなど地道に音楽活動を続けるなかで、70年、セルフ・タイトル作『Bruce Cockburn(ブルース・コバーン登場)』でソロ・アーティストとしてデビューする。

美しい雪景色のアートワークも印象的な同作は、ほぼ全編がギターの弾き語りで構成された詩情豊かなフォーク/ロックの名盤として、いまもなお愛され続けている。続く前述の2作目High Winds White Skyなど、70年代半ばごろまでのコバーンはフォーク・シンガーとしての趣が強い。ちなみに日本ではHigh Winds White Skyがデビュー盤となり、それ以降広く知られることとなった。

『Bruce Cockburn(ブルース・コバーン登場)』収録曲“Going To The Country”
 

そうした初期のフォーキーなイメージが強いコバーンだが、70年代半ば以降は次第にエレクトリック色のあるサウンドやジャジーなテイストを取り入れ、時期ごとに作風の変化も見せるなど、常に音楽的な挑戦を続ける音楽家である。同時に多作家でも知られ、80~90年代、そして2000年代と、かなりのハイペースでアルバムをリリースしている。

80年作『Human』には“Tokyo”という楽曲も
 

2010年代に入ると、コバーンは自叙伝の執筆に注力。「Rumours Of Glory」というタイトルで2014年に刊行している。執筆に全力を注ぐあまり前後の何年かは音楽制作のモードになかなか向かわなかったそうが、次第にまた曲が〈降臨〉するようになったといい、昨年2017年にも33枚目となる最新アルバム『Bone On Bone』をしっかり発表している。

BRUCE COCKBURN 『Bone On Bone』 True North(2018)

今回の来日は、初期のフォーキーな名曲から『Bone On Bone』まで、キャリアを網羅した選曲がされる。カナダが誇る最高峰の音楽家の最新の姿を、珠玉の名曲たちを、秋の夜長にぜひとも目撃してほしい。

『Bone On Bone』収録曲“40 Years In The Wilderness”2017年のライヴ映像

 


LIVE INFORMATION
ブルース・コバーン

2018年9月29日(土) 、30日(日)Billboard Live TOKYO
1stステージ 開場15:30/開演16:30
2ndステージ 開場18:30/開演19:30
サービスエリア 7,900円/カジュアルエリア 6,900円
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