まさに、選りすぐりの6曲。
劇団四季出身のミュージカル・スター待望の2ndアルバム。収録曲は2013年『レ・ミゼラブル』初出演で務めたジャベール役の名ナンバー《スターズ》から。
「退団後初の出演作でジャン・バルジャンと2役に抜擢。その後、バルジャンは2015年、2017年、そして今年で4回目になりますがジャベールは最初の年だけ、舞台で演じたのは10回程度ですが、光と影のようなこの両役を経験したことで作品への理解が深まった」
続く2つは出演作ではないが、想い入れの深い曲。
「『レント』は当時、劇団四季内でもかなり話題になっていて、最初にCDで聴いた時は衝撃的でした。音楽がロックで現代的なテーマを扱っているのも凄いと思った。とにかくこの《One Song Glory》が最高にカッコ良くて、もしやらせて貰えるなら絶対ロジャー役だなって勝手に思っていました(笑)。『アスペクツ・オブ・ラヴ』も先輩に薦められて聴き《恋のさだめは》に魅了された。今回レコーディングが叶い嬉しかったです」
今回は人気作曲家の美野春樹が全編の編曲を担当。“Voce=声”のタイトル通り、アコースティックな伴奏が美しい日本語歌唱をより前面に引き立てている。
「先ずは言葉を正確に伝えられることが役者の基本。発声は劇団時代、特に徹底的に鍛えられましたから」
だからこそ、少し古めかしい歌詞の《見果てぬ夢》~『ラ・マンチャの男』にも心をがっちり掴まれる。
「旋律はシンプルだが言葉に重みがあって実は難曲。これまで敢えて避けて来ましたが、なぜか夢で自分が歌うところを見て、今回やっと挑戦する勇気が持てた」
極めつけはニック・マッシ役で出演し2016年読売演劇大賞の最優秀作品賞を受賞した『ジャージー・ボーイズ』からのナンバーで《My Eyes Adored You》。
「フランキー・ヴァリのソロでシングル・ヒットにもなった曲ですが、劇中でも物語の流れにぴったり寄り添うかたちで使用されて深い感動を呼ぶ。高橋亜子さんの訳詞も素晴らしく、自分の役者人生とも重なり共感できる。今回の重たくないアレンジもまた絶妙です」
ラストを飾るのは《ユー・レイズ・ミー・アップ》。
「ミュージカル曲ではないけれど、最後に何か前向きなメッセージを残したかった…こんな時代ですから」
舞台を中心に活躍の場をどんどん広げてきた。
「昨年はジャズ・ピアニストとの共演も多く刺激を受けた。スタンダード・ナンバーやシャンソンのレパートリーも増やしたい。でも先ずは4月の帝国劇場を皮切りに『レ・ミゼラブル』5大都市ツアーに全力投球。最後が出身地の北海道公演なのも楽しみです。バルジャンが出所したのが46歳で今の自分と近いのも感慨深い。人生の経験を歌に重ねられたらいいですね」
LIVE INFORMATION
ミュージカル『レ・ミゼラブル』
○4/19(金)~ 5/28(火)/プレビュー公演:4/15(月)~ 18(木)東京公演:帝国劇場
○6/7(金)~25(火)名古屋公演:御園座
○7/3(水)~20(土)大阪公演:梅田芸術劇場メインホール
○7/29(月)~8/26(月)福岡公演:博多座
○9/10(火)~17(火)札幌公演:札幌文化芸術劇場hitaru
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