レナード・バーンスタインによる自作自演によるの「キャンディード」録音は、このオールソップ盤と同じくロンドン交響楽団との共演で、いまだに人気の演奏。まるでマーラーのような重厚壮大な入魂の名演だった。約20年を経たこの演奏はミュージカル作品としての躍動感と軽やかなリズムが全面に出た内容。作品がいよいよ作曲者のバーンスタインの手を離れて世界に巣立っていく第一歩となっていくことだろう。ロンドン交響楽団合唱団の素晴らしさはいつもながら特筆される。歌手ではオールドレディ役を歌うベテラン、フォン・オッターのノリノリの歌唱は必聴。若い歌手の生き生きとした歌唱も愉しい。