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 『コジマ録音』と聞いてピンとくる方は、それなりにクラシックを聴き込んでいる方であろう。問答無用のメジャー、とは言い難いが、クラシックを聴き込む上では決して外す事のできない「通好み」の逸品を数多く排出してきたいぶし銀の名門レーベルだ。そんなコジマ録音がめでたく創立40周年を迎えたとの事で、改めてそのカタログを見返し、自らの認識の甘さを痛感した。単純ではあるが、レコード芸術誌の評価だけとっても、「特選」を約130タイトルが取得。準特選・推薦・準推薦を含めるとその数は約200タイトルと膨大な数にのぼる。決して甘くないレコ芸評論家陣を前にして、しかも数多の超優良メジャーと比較される中、これだけの数が「聴くに値する」との評価を得るというのは正直物凄い事だ。だが、その評価を得るには常に最高のクオリティを求める姿勢と、それに見合うだけの労力を払う事が必要となるが、常に高い質を維持し続けた事は敬服にも値する。

 ソリストや小規模なアンサンブルに注力して録音するスタンスは今も昔も変わらず、厳選された演奏家による良演と、その音を余す所無く収録する素晴らしいエンジニアとの掛け合いから生まれる良質な録音こそ、このレーベルの強み。併せて、日本人演奏家に光を当ててきた事もこのレーベルが一定以上のクオリティを保てた要因であろう。

 また、コジマ録音のもう一つの“顔”が『日本人作曲家』の録音だ。このレーベルでしか聴けない作品も多数、日本人作曲家を語る上では決して外せない名盤も目白押しである。

 改めてコジマ録音の残してきた素晴らしい軌跡に感謝すると共に、これからの録音にも期待をしたいと思う。今回の記念イヤーにあわせ、タワーレコードではコジマ録音のアイテムを8月24日までの期間限定で20%オフ・セール中。この機会にぜひ気になっているアイテムを手に取られてみてはいかがだろう。