音楽とファッションの関係性

――普段、音楽映画はよく観ますか?

Erika「最近、〈ビートルズのいない世界〉を描いた『イエスタデイ』(2019年)が話題になりましたけど、数年前に同じタイトルの映画(2014年、ペーテル・フリント監督作)が公開されていて。それもビートルズがモチーフなんですけど、彼らに憧れる男子高校生がバンドを組むという、ノルウェーはオスロを舞台にした物語だったんです。その2本の『イエスタディ』を見比べてみたら、すごく面白かったですね」

Cony「やっぱり『ボヘミアン・ラプソディ』ですね。幼い頃に両親の影響で聴いて以来、クイーンがずっと大好きなんです。私が生まれた時すでにフレディ・マーキュリーは亡くなっていたので、〈生きて動いている姿を観ることは叶わないんだな〉と諦めていたところに、本当にフレディを〈感じられる〉映画に出会って衝撃を受けました。劇場に4回も観に行ったくらいで」

――それはすごい。

Cony「フレディ・マーキュリーのファッションとか真似したいです。袖のフリンジ……レッド・ツェッペリンの人も着ているようなやつ、ありますよね? ああいうのをステージ衣装に取り入れたくて」

――「ティーンスピリット』での、ヴァイオレットのファッションはどうでした?

Erika「ジャージ姿が多かったですよね。でも、野暮ったい感じにならない着こなし方。最近またスポーティーなファッションが流行ってますけど、ヴァイオレットのスタイルはすごく真似しやすかったしお手本になるんじゃないかなと思いました」

Cony「ジャージって、ストイックな人のための制服って感じですよね。それを今回、再確認しました」

Erika「(笑)。オーディションの決勝でロンドンへ行く時にヴァイオレットが連れていくバンド・メンバーのドラムの子のファッションがグッときましたね。今のロンドン・キッズっぽいというか。クルクルのジンジャー・ヘアで、スポーティーな着こなしだけど、トレンチ・ハットを合わせる、みたいな。私はあまりスポーティーな服とか着ないんですけど、彼女のファッションなら参考にしたい」

――やっぱり、音楽とファッションって切り離せないところはありますよね。表現の一部というか。

Cony「そう思います。自分が憧れていたレジェンド・クラスのアーティストでも、最初はルックスから好きになることもありましたし。例えば、スウェードとかそうなんですよ。最初はルックスというか、PVを観て艶やかなファッションとヘアスタイルに惹かれて曲を聴き始めて、どんどんハマって自分のソングライティングにも影響していった。そう考えると、ファッションも大事なんだなって思います」

Erika「オーディションで勝ち抜くためにはルックスも評価軸にはなるんですけど、ヴァイオレットが他の参加者と比べて見た目よりも中身を大事にしているのを見て〈自分もそうあるべきだよな〉とか、色んなことを考えさせられましたね」

取材当日、「ティーンスピリット」のヴィジュアル・イメージに沿ってピンク色を取り入れた出で立ちで集まってくれたErika & Cony