エクスペリメンタルな音楽性と強烈なヴィジュアル、ギラつく派手なパフォーマンスで異彩を放つ音楽家、イヴ・トゥモア。ワープから発表された異形のアルバム『Safe In The Hands Of Love』(2018年)は数々のメディアから絶賛され、その年の年間ベストを総なめにした。
そんな彼から、さらなる飛躍を遂げた新作『Heaven To A Tortured Mind』がここに届けられた。本作でイヴ・トゥモアは、大胆にもグラム・ロックやソウル・ミュージックに接近。ある意味、ポップな作品だと言えるが、拭い去れない異物感や〈匂い〉は温存されている。この衝撃作をどう捉えればいいのか?
新進気鋭の批評家・伏見瞬がテキストで『Heaven To A Tortured Mind』に対峙し、本作の〈ロック性〉を掬い上げる。 *Mikiki編集部