立ちはだかる壁を閃光のアンサンブルで突破し、3匹の狐がいよいよ辿り着いたのはスリリングなダンスフロア! 楽しさに名前をつけるよりも先に、その感覚に身を任せて、ただ踊れ!!!
ダンス・ロックへの接近
本人たちもビックリの大反響&好セールスと比例して、ただいまバンドは絶好調。前作『BRIDGE』が〈CDショップ大賞2014〉の〈ジャズ部門〉、〈JAZZ JAPAN AWARD 2013〉の〈アルバム・オブ・ザ・イヤー・ニュー・スター部門〉でダブル受賞という追い風を受け、fox capture planが3作目『WALL』で提示したテーマはズバリ、〈ダンス・ロックへの接近〉だ。ジャズをルーツに持ち、ダンス・ミュージックやロックにも跨る領域で活動してきたバンドにとって、それはある意味必然の進化と言ってもいい。
「もともとの音楽性として、〈コンテンポラリー・ジャズとポスト・ロックを掛け合わせた音楽をやりたい〉というのが始まりだったから、単純明快なダンス・ロックをやるという発想はなかったんですよ。でもファーストとセカンドが、予想以上にジャズとポスト・ロックのどっちのシーンにも届いた実感があったので、次はロックのリスナーに直接投げ掛けられる曲を作ろうと。自分たちの力で、リスナー層を広げていきたかったんですよね」(岸本亮、ピアノ)。
アルバムのリード曲である岸本作の“疾走する閃光”は、鋭いキックの4つ打ち、ロック的な疾走感、昂揚するメロディックなピアノのフレーズを持つ極めてキャッチーなナンバー。メロディーをより強調したもうひとつのリード・トラック、カワイヒデヒロ(ベース)による“Elementary Stream”と2曲合わせて、本作のコンセプトをもっとも象徴する楽曲だ。
「“疾走する閃光”はすごくストレートですよね。ここまでわかりやすい4つ打ちはいままでやってなかったんで。ただ同じ4つ打ちでも、スネアの場所を変えるだけでよりロック的な4つ打ちになるんですよ」(井上司、ドラムス)。
「“Elementary Stream”はより歌ものっぽい意識で作ってます。リズムはドラムンベースっぽいけど、Aメロ、Bメロ、サビが2回あって、大サビがあって、テンポの速い歌ものロックみたいに聴こえるんですよね。歌詞に頼らずにストーリーを作るには、そういう構成が必要なんです」(カワイ)。