前作〈ネット上の人間関係についての簡単な調査〉とセットになるコンセプトを持った2年ぶりの新作は、環境活動家のグレタ・トゥーンベリのスピーチを使用した曲から始まる、社会的かつパーソナルなメッセージを放つトータル作品に。彼ららしいギター・ロックからR&B、フォーク、パンク、エレクトロ、ヒップホップ、アメリカーナまで音楽的な幅は広く、それぞれの曲が強烈な個性を持つが、美しいインタールードがそれらを見事にひとつの流れに紡いでいる。全体的に何かを悟ったかのような、どことなくスピリチュアルな雰囲気があり、聴き終わった後に崇高な気持ちにさせてくれる。そこが作品に統一感を与えている理由であり、いちばんの魅力でもある。全22曲80分超え。まさに一枚を通して聴くべき〈アルバム〉です。