連載

【Helsinki Lambda Club橋本薫の『Eleven plus two / Twelve plus one』への道】第三歩 “Happy Blue Monday”

連続配信リード・シングル全曲解説

【Helsinki Lambda Club橋本薫の『Eleven plus two / Twelve plus one』への道】第三歩 “Happy Blue Monday”

2014年にデビューしたロック・バンド、Helsinki Lambda Club(以下、ヘルシンキ)。東京を拠点に活動する彼らは、甘酸っぱさの香るメロディー・センスと捻りの効いたバンド・サウンドを武器に、チャーミングなギター・ポップからガレージ・ロック、サイケデリックなダンス・ナンバーまでを世に送り出してきました。Mikikiにも、自身の音源をリリースした際のインタビューに加え、CHAIとの対談髭とHomecomingsとのスティーヴン・マルクマスについての座談会への参加などたびたび登場。音楽への真摯な姿勢と溢れんばかりの愛情が伝わる発言は、読者のみならず編集部員をもノックアウトしております。

そんなヘルシンキが11月25日(水)にセカンド・アルバム『Eleven plus two / Twelve plus one』をリリース。バンドが〈最高傑作〉と自負する同作からは9月以降、4曲がリード・ソングとして発表されるそうです。この〈Helsinki Lambda Club橋本薫の『Eleven plus two / Twelve plus one』への道〉は、フロントマンの橋本薫がリード曲を解説、影響を受けた楽曲や録音のこだわりを明かす短期集中連載。今回は10月14日配信スタートの“Happy Blue Monday”について書きました。やっぱりペイヴメントの次はニュー・オーダー? ブリブリなダンス・ナンバーに仕上がっています! *Mikiki編集部

 


最初にニュー・アルバム『Eleven plus two / Twelve plus one』全体について少し触れると、僕は勝手に〈めちゃめちゃ仲良しなビートルズのホワイトアルバム〉のような作品だと思っている。全13曲の中でアレンジを全て熊谷(太起、ギター)に任せた曲もあれば、稲葉(航大、ベース)が初めて作詞・作曲した曲もある。僕が打ち込みで作ったトラックに対して各々が自分の楽器を乗っけていった曲もあるし、誰のメインパートでもないシンセを使ったフレーズは場合に応じて僕と熊谷で担当し合っている。もちろんセッションで作り上げたものもあるけれど、今まで以上に分業体制で臨んだ作品であることは間違いない。

そんな未来盤からの第3弾は“Happy Blue Monday”。またしても往年のロック・ファンならニヤリとしそうなタイトルにしてしまった(もしくは嫌悪感を示されるか)。

この曲はループのベースラインをモチーフに踊れる感じにしたいというコンセプトから始まって、ほとんどのパートのフレーズやパターンは僕が作りました。このベースラインはマジで褒めてもらいたい(笑)。私が、作りました!! 器が小さいですね。でも稲葉も気に入って採用してくれたから嬉しい。

最初はタイトルからも想像できるようにマッドチェスターな風味を強めにしようと思っていたのだけれど(一周回った未来感もあるし)、今までアプローチしてこなかったエレクトロの要素を強めに、ギター・ロックのカッコよさも欲張りつつ、歌謡チックな歌メロとバブリーなシンセなども加えてヘルシンキにしかない歪な小宇宙が誕生しました。エレクトロ・サイケって感じ? 〈ヘルシンキのサイケ感って、意図してないけど勝手に出ちゃってるんだなー〉と最近気付きました。ここに本質があるのかもしれない。

歌っている内容については一つのテーマというよりは脳味噌がスパークした感じであらゆる方向に意識が飛んでいるのだけれど、大きな括りで言うならば精神の解放とでも言いましょうか。常識への疑いの眼差し、開き直りの美学。このあたりは以前の作品からも根底にあるかもしれない。この歌詞を書いている頃、ちょうどNetflixで「セックス・エデュケーション」というドラマを観ていたことも影響している気がする。他者はもちろん自分を受け入れるということは大事だね。最近よく思うのは、自分の愚かさは自覚していないとなかなかしんどいというかイタいけれど、自覚しているとけっこう愛おしいなと。なるべく人は傷付けたくないけれど、感情ゆえに愚かな行動をとったりしてしまうのは可愛い。

サビはなんだかとってもエロティックなので、なるべくエロティックに歌えるようになりたいものです。なのでエロい経験を沢山積んでおきます。必要事項なので領収書は切らせていただきます。ひとつよしなに。

 

『Eleven plus two / Twelve plus one』を読み解くプレイリスト、公開中!
連載に合わせて、更新していきます!

 


RELEASE INFORMATION

Helsinki Lambda Club 『Eleven plus two / Twelve plus one』 Hamsterdam/UKプロジェクト(2020)

リリース日:2020年11月25日(水)
品番:HAMZ-008
価格:CD 3,000円(税抜)/ダウンロード 2,400円 ※単曲250円
仕様:初回仕様あり(10inchジャケット仕様) ※初回仕様が無くなり次第通常盤に切り替わります。
JAN:4514306017298
レーベル:Hamsterdam Records / UK.PROJECT

〈収録曲〉
1. ミツビシ・マキアート
2. Debora
3. それってオーガズム?
4. Good News Is Bad News
5. パーフェクトムーン
6. Shrimp Salad Sandwich
7. Mind The Gap
8. 午時葵
9. IKEA
10. Sabai
11. 眠ったふりして
12. Happy Blue Monday
13. you are my gravity

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