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1. 出身地と音楽活動を始めたきっかけ(バンドであれば結成のいきさつ)について教えてください。

「神奈川県。

ぎがもえかは本名で、〈ぎがっていう苗字が珍しいね〉と言われますが、神奈川県の出身です。

3歳の頃から高校卒業頃までクラシックピアノを弾いていて、音楽がいつも側にありながら育ちました。ピアノを弾くこと、歌うことが大好きでした。

ギターを弾き歌う星野源さんを見て、シンガーソングライターという存在を初めて知り、わたしもこの人のようになりたい!と思い、19歳のときに作曲とギターを始めました」

2. 現在の音楽性に影響を与えたと思うアーティストや楽曲は?

「クラシック音楽やピアノの音を聴いていた耳が、メロディ作りで生きてくれていると思います。

あと、シンデレラや不思議の国のアリスなど、ディズニーの音楽が大好きです。 

心が膨らんで踊りたくなるような美しい音楽を作ることを、わたしも意識しています」

3. 今回TOWER DOORSで紹介した曲はどんなふうに生まれた曲で、どんなことを表現していますか?

“敵わない”

「ある一冊の小説を読み終えたとき、〈わあ〜、この主人公たちには敵わないわ!〉と感動した衝動から、この歌を作りました。

歌を作ってから、敵わない、敵わない、と何度も歌っているうちに、〈敵わない〉という言葉自体を美しいと思うようになりました。

この世の中がどんなにどんなに苦しくても、そこに日々立ち向かっている人はみんなヒーロー。世界はヒーローによって守られます。

MVには、小学生のころからずっとファンで、自分にとって最高に格好いいヒーローである、ジャルジャルの福徳秀介さんにご出演いただきました」

4. 交流のあるアーティストでいま注目しているのは?

Autisです。

まず歌詞に惹かれました。そこに心地よく融け合うサウンドが素晴らしいです。Gt. Vo.の祥太郎さんの歌声が、艶やかで魅力的です。

“Thank you baby”では、伸びやかに歌う佐々木雄大さんのフルートがとても美しかった。あぁなんて素敵なんだろうと、心が喜びました。

自分のサポート演奏もお願いしているRap、Bassの木谷直人さんは、心底信頼している仲間です。物事を冷静によく見ていながら、バランスよく力が抜けている、その考え方と性格に、支えられたり影響を受けたりしています」

5. TOWER DOORSは新しい音楽との出会いを提供することをコンセプトとするメディアですが、あなたが最近出会った新しい音楽は?

「作品がリリースされるたびに新しい世界を教えてくれる、星野源さんの音楽に、刺激をもらっています。自分ももっと深く音楽に潜り込んでいきたいです」

6. ライブやリリースといった今後の活動や、やってみたいことなど、これからの展望について教えてください。

「弾き語りのアルバムを作りたい。

世界のさまざまな動きの中で、自分で自分を守るように歌を作っては、 部屋で小さな声で歌ったりしていました。その感覚を丁寧に表せるような作品が作れたらいいな。

バンドでも、新しいサウンドに積極的に出会っていきたい。開けてみたい箱がいっぱいあるんです。

そして大好きなミュージシャン仲間たちと、永く永く音楽を作り続けられたらいいなって思います」

 

今回TOWER DOORSが紹介した“敵わない”を制作したきっかけについて、ぎがもえかは「ある一冊の小説を読み終えたとき」と語っています。彼女は普段、本を読まない日はないとのことです。それを踏まえて歌詞の言葉一つ一つに耳を傾けてみましょう。彼女ならではの独創的な言い回しや温かみを持った言葉が、ぎがもえかの世界を描き出すのを感じることができると思います。

そういった詩情や優美なサウンドは、彼女がリスペクトする初期の星野源、寺尾紗穂青葉市子平賀さち枝といったSSWに通じるものがありつつも、ユニークな個性の持ち主だと感じられます。ぎがもえかの音楽からは、そういった先達に比肩するポテンシャルを感じられるので、今後の活躍がとても楽しみです。

また回答にもあった、ジャルジャルの福徳秀介が出演した“敵わない”のミュージック・ビデオは必見です。駅前からライブハウス〈下北沢シャングリラ〉まで、下北沢の街を福徳が歩く姿をワンカット撮影した映像作品で、監督はミツメやHomecomingsなどのMVを手掛ける仲原達彦。どうぞお見逃しなく!