Mikiki編集部員とTOWER DOORS担当・小峯崇嗣が最近トキめいた邦楽曲をレコメンドする毎週火曜日更新の週刊連載〈Mikikiの歌謡日!〉。連載100回を超え、5人が1曲を厳選し計5曲を掲載してまいります。 *Mikiki編集部

★〈Mikikiの歌謡日!〉記事一覧

 


【田中亮太】

Lantern Parade “気ままに踊ろう”

Lantern Paradeが突然発表した新作『love is the mystery』より。アルバムには、リリース元のROSEを主宰する曽我部さん(ベース)や、どついたるねんの浜公氣さん(ドラムス)らが参加。バンド編成でディスコを探求したという作品のなかでも、この曲はひときわ〈ダンスフロアへの愛と渇望〉を歌ったものではないでしょうか。踊っているときに思いをめぐらすアレやコレ、嬉しいような寂しいような感覚が見事に表現されています。〈猫のしっぽの純粋さ〉という歌い出しのフレーズもすごい。CDとアナログ盤は9月17日(金)のリリース予定。

 

【酒井優考】

TWEEDEES “境界線上に吹く風”

先日リリースされた3曲入りEP『境界線上に吹く風』より表題曲を。この曲と、同じくEP収録曲“十月革命駅のテーマ”は漫画「国境のエミーリャ」にインスパイアを受けた曲とのことで、早速、無料公開されている漫画の1話を読みながら楽曲を聴いてみました。……うっ、自分が少年時代を過ごした御茶ノ水が舞台だ……そしてTWEEDEESの新アー写も御茶ノ水~神田の高架下辺りで撮影されたものでは……。美しい楽曲を聴きつつ、ほろ苦い思い出を蘇らせつつ、TWEEDEESの徹底した写真、アートワークへのこだわりも伺いつつ、ある日政治的な理由で日本が・東京が二分されて対立する別の国同士になってしまったらどうしよう……けれど、鳥に国境はないし、風も同じように吹くのだろうな……そんなことも考えてしまいました。それにしても何と美しい音楽よ。ちなみに漫画の最新話にはTWEEDEESのお二人も登場されているそうで、どうやらコミックを買い揃えなければいけないようです。

 

【天野龍太郎】

宝鐘マリン “Unison”

先週、リリース直後に話題になっていたので聴いたのですが(宝鐘マリンさんについては〈ミサトさんのモノマネの人〉という印象が強い)、いやはや、これはかなりヤバい曲ですね……。この曲についてはs.h.i.さんに詳しく解説してもらったので、そちらの記事をぜひご覧ください。配信リンクはこちら

 

【鈴木英之介】

Yogee New Waves “SISSOU”

2021年9月29日(水)にリリースする4枚目のアルバム『WINDORGAN』からの先行曲。まるで抑えがたい胸の高鳴りに忠実であろうとするかのように掻き鳴らされるギター・カッティング、それに寄り添う性急なドラム・ビート、そして上下によく動くうねるようなベースラインが曲のタイトル通りに疾走感を演出する。しかしそこはレイドバックした感覚を内に宿しているヨギーのこと、疾走感は演出しても決して暑苦しくは仕上げない。そうしたバランス感覚が醸す涼やかな蒼さと瑞々しいポップさは、アズテック・カメラのファースト・アルバム『High Land, Hard Rain』(83年)など、ネオアコ~ギター・ポップの名盤群を彷彿させる。

 

【小峯崇嗣】

CUB “Girls”

茨城を拠点に活動する3人組のエレクトロニック・ミュージック・ユニット、CUBがこれからリリース予定の新作EPより先行シングル“Girls”を発表しました。この楽曲は99年に公開された映画「17歳のカルテ」から着想を得て制作したとのこと。色とりどりの美しい花々が咲き誇っていくような電子サウンドと、可憐で透明感のある美声が合わさったドラマティックな一曲です。