PR
連載

fhána・yuxuki wagaが綴る〈レディオヘッド(Radiohead)『Kid A Mnesia』と私〉

【レディオヘッド『Kid A Mnesia』と私】

Photo by John Spinks

ロック、いや、ポップミュージックの在り方すら変えてしまったかもしれない、レディオヘッドの金字塔的傑作にして壮大な実験作『Kid A』(2000年)と『Amnesiac』(2001年)。リリースから20年が経った2021年、双子の関係にある両作がひとつの作品になり、未発表曲などを多数加えた『Kid A Mnesia』としてよみがえった。これを記念して、Mikikiはアーティストや表現者たちに依頼をし、〈レディオヘッド『Kid A Mnesia』と私〉というテーマで2作についての思いを綴ってもらった。それぞれの『Kid A Mnesia』観を楽しんでいただければと思う。 *Mikiki編集部

★連載〈レディオヘッド『Kid A Mnesia』と私〉の記事一覧はこちら

RADIOHEAD 『Kid A Mnesia』 XL/BEAT(2021)

 

レディオヘッド『Kid A Mnesia』とyuxuki waga(fhána)

そもそも、実は自分とレディオヘッドの出会いは『Kid A』と『Amnesiac』だった。

北海道の田舎に住んでいて、メロコアやパンクロック、ロックバンドばかりを聴いていた10代の学生の頃、所謂〈最新の洋楽〉を聴いていた耳の早い、音楽好きの友人のお薦めで借りたCDたちの中に『Kid A』と『Amnesiac』の2枚のCDが入っていたのだ。

その2枚は当時の自分にとってはあまりにも刺激が強く、暗いし、爽やかなメロディがあるわけでもなく、音楽的にもバラバラで、ドロドロで、繊細過ぎた。正直いまいち理解が出来なかったのを覚えている。
だが、再生してすぐに流れ始める“Everything In Its Right Place”、“Kid A”の2曲は、小さな棘のように、自分の心に引っかかって残り、“Knives Out”のギターのアルペジオはギター少年だった自分に大きな影響を与えていた。
何より、〈名盤〉と紹介されたものを理解出来なかったのも悔しく、ある時は『Pablo Honey』、『The Bends』、『OK Computer』といったレディオヘッドの過去の盤、ある時は他の音楽を経由しながら、思い返すように何度も何度も聴き直していたのだった。

『Kid A Mnesia』収録曲“Knives Out”

今思えば、その小さな棘たちがいつの間にか大きく育ち、自分の今までなかった扉を抉じ開けてくれたように思う。
『Kid A』と『Amnesiac』との出会いがなければ聴けなかった音楽、知り得なかった感覚が沢山あったのだ。
そして、気づけば何度も何度も聴いたこの2枚のアルバムが自分の大好きなアルバムに変わっていた。
聴くたびに新しい発見があった。ジョニー・グリーンウッドは大好きなギタリストの一人になっていた。

きっと今の時代を学生として生きていて『Kid A』と『Amnesiac』に出会ったのなら、数多の選択肢がある音楽の中で〈自分の好み〉だけを求めていたら、こういった体験はしなかったのかもしれない。

ただ、この一般的には難解とされ、ドロドロで、複雑で、暴力的なまでに繊細で、驚きと新たな出会いの可能性に満ちた『Kid A Mnesia』は、自分たちみたいな〈あの頃〉を懐かしむ人間だけではなく、どうか、まだこの音楽を知らない新しい世代にも触れてもらいたいとも強く願う。
合う、合わないは勿論あるかもしれない。自分と同じ道を辿ってくれとも思わない。でも、もしかしたら、何かが変わるかもしれない。そんな、不思議なアルバムなのだ。

★連載〈fhánaのわんだふるレコメン紀行〉の記事一覧はこちら

 


PROFILE: yuxuki waga(fhána)
作編曲家/ギタリスト。北海道・十勝出身。様々なアーティストやアニメの楽曲、「THE IDOLM@STER MILLION LIVE!」などのコンテンツに楽曲提供をする他、ギタリストとしても中島美嘉やrionos他、数々の楽曲のレコーディングに参加。また、fhánaのメンバーとしても「有頂天家族」「天体のメソッド」「小林さんちのメイドラゴン」シリーズなど数々のアニメで主題歌を担当している。

Instagram:https://www.instagram.com/yuxuki/
Twitter:https://twitter.com/yuxuki
オフィシャルサイト(fhána):http://fhana.jp/

 


RELEASE INFORMATION

RADIOHEAD 『Kid A Mnesia』 XL/BEAT(2021)

リリース日:2021年11月5日
配信リンク:https://radiohead.ffm.to/kid-a-mnesia

■国内盤3CD
品番:XL1166CDJP
価格:3,850円(税込)
国内盤特典:歌詞対訳・解説付/ボーナストラック5曲収録
高音質UHQCD仕様

■輸入盤3CD
品番:XL1166CD
価格:3,190円(税込)

■限定盤3LP(レッドヴァイナル)
品番:XL1166LPE
価格:7,690円(税込)

■通常盤3LP(ブラックヴァイナル)
品番:XL1166LP
価格:7,690円(税込)

■日本盤3CD+Tシャツ
品番:XL1166CDJPT1
価格:8,250円(税込)
サイズ:S-XL

■限定レッドヴァイナル+Tシャツ
品番:XL1166LPET1
価格:12,090円(税込)
サイズ:S-XL

TRACKLIST
Disc 1 - Kid A
1. Everything In Its Right Place
2. Kid A
3. The National Anthem
4. How To Disappear Completely
5. Treefingers
6. Optimistic
7. In Limbo
8. Idioteque
9. Morning Bell
10. Motion Picture Soundtrack

Disc 2 - Amnesiac
1. Packt Like Sardines In A Crushd Tin Box
2. Pyramid Song
3. Pulk/Pull Revolving Doors
4. You And Whose Army?
5. I Might Be Wrong
6. Knives Out
7. Morning Bell/Amnesiac
8. Dollars And Cents
9. Hunting Bears
10. Like Spinning Plates
11. Life In A Glasshouse

Disc 3 - Kid Amnesiae + b-sides
1. Like Spinning Plates (‘Why Us?’ Version)
2. Untitled v1
3. Fog (Again Again Version)
4. If You Say The Word
5. Follow Me Around
6. Pulk/Pull (True Love Waits Version)
7. Untitled v2
8. The Morning Bell (In The Dark Version)
9. Pyramid Strings
10. Alt. Fast Track
11. Untitled v3
12. How To Disappear Into Strings
13. Kinetic *
14. Fast-Track *
15. Cuttooth *
16. The Amazing Sounds Of Orgy *
17. Trans-Atlantic Drawl *
*日本盤ボーナストラック

関連アーティスト