実に4年ぶりのオリジナル・アルバムは、“僕をみつけて”(2019年)や“星をあつめて”(2020年)、そして“愛のシュプリーム!”(2021年)に至るまでのシングルや配信曲に直近の新録曲も加えた作品。ただ、その制作期間がコロナ前から自粛期間を経ての現在まで跨がってきたことで、結果的には当事者意識を伴って時代性が深く反映され、クロニクルというよりはドキュメントと呼ぶべき楽曲集となっているのが興味深い。オープニングの“Cipher”とラストの“Zero”が描く壮大なうねりに挟まれる格好で、“愛のシュプリーム!”や“GIVE ME LOVE”に代表される明朗さやジャミロクワイ風のディスコ“Air”の快さも機能している。ある種の重さと同時にポジティヴなパワーも受け取ることのできるポップな大作だ。