ライヒは近著の中で彼の音楽のほとんどがパラティドルで出来ていると共演者であるパーカッショニストに語っている。時折、Interlockingと言われるポリリズムの構成は大抵このアイデアとカノン的な構成によって固定されてきた。“ランナー”もドラムを左右の手で打ち分けるようなピアノの打音で始まる。二作品とも基準音価を楽章ごと16、8、4、8、16とブリッジ状に配置して構成にもライヒ流が徹底されている。こうした音価の変化を作品に構造的に組み入れる手法は、初期の“Four Organs”への回帰であり、そこからの発展だろう。同時代の作家の手法が構造的に定着し、変化、進展するのを共有できることほど素晴らしい音楽体験はない。